3月初旬にワールドブックデーと呼ばれる日がある。
日本語だと世界図書の日と訳すのが正しいだろうか・・

このワールドブックデー、目的は図書を知ってもらうとか、広めるとか、好きになってもらうという意図があって始まったらしいが、保育園や幼稚園、学校などはイベントを企画しなければならない。
うちの子供が通っていた幼稚園や今通っている学校では、毎年本にちなんだコスプレをし、いつも読んでいる本や友人達に是非その面白さを知ってもらいたいと思う本を持参して登校するという日になっている。
とは言え、読んでいる本のキャラクターの衣装がスーパーに売っているとは限らず、器用なお母さんは手作りで作っている人も稀にいるが、うちの子供には赤ずきんちゃんやら、ハリーポッターなどの衣装を買って着せて登校させてきた。

うちの子供の学校は基本的に「本」ではないキャラクター、つまりスーパーヒーローものとか、漫画のキャラクターつまりスパイダーマンとかスターウォーズ、要するに仮面ライダー(古すぎるかも知らんが・・)みたいなコスプレは禁止されている。
あれは絵本や本ではなく漫画であるという、前校長の方針であった。

とは言え、毎年たった1日の為に2人分の衣装を買うというのも、なかなかの出費であるし、今年は去年に続いて娘はハリーポッターの恰好で、息子は日本のドンキホーテで買った謎の忍者のコスプレ(本ではないが、忍者の本があると言い切ろうと思っている)で行こうかと決めていた・・・矢先である。

一昨日、学校からメールで今年のワールドブックデーは衣装登校でなはなく、パジャマで決行しますと来た。
理由は「家庭事情により衣装を買う事が出来ないという報告を受け、誰でも持っているパジャマで代用する事になった。理解して欲しい」であった。

私はわざわざ用意していたわけでは無いが、この時期になると本の主人公などになりきれる衣装が各スーパーなどで売り出され、完売するような人気衣装は早く買っておく人もいるはずである。
昨日は大手スーパーに行くと、この衣装が既に半額で売られていたから、私も思わず来年分を買っておこうか・・とも考えた程である。
それほど、このたかが1日、されど1日の為に出費を惜しまず我が子の為に親は前もって用意しておかねばというプレッシャーがあるのも事実である。

子供達にメール内容を伝え「今年はパジャマ登校やねんて・・」と言うと、かなりガッカリしていた。
が、このメールを読んだ数時間後、ママ友のKから「むかつく!!もっと早よ言うてくれたら買わずに済んだのに、もう買ったわ!!」と怒りメールが来た。
PTAを去年まで一緒にやっていた友人で、今も月に何度かランチに行く仲なのであるが、学校からしてみれば、まあまあウルサイ&メンドクサイ性格のキッチリした性格の人で、納得のいかない事はメール&校長面談で問題解決していく人である。

当然、私は「文句言う?」と聞いた。
Kは「当たり前や。月曜に校長代理に話する。だってそうやろ?1月半ばに3月5日にワールドブックデーがありますから、好きな本とコスチュームで・・とメールを送ってきておきながら、この直前になってパジャマでやると勝手に変更した。もう買っている人にとっては無駄な出費や。レシートを残していれば返品も問題ないけど、うちは衣装に手を加えて装飾を付け加えたから返品でけへん」と言った。

恐らく、先に買って用意しているのはKだけではないはずであるから、文句の多さによっては「じゃあ、パジャマか衣装かで」となるのではないか・・と考えている。
が、衣装を買う事が出来ない家庭があるとしたら、やはり着て来ない子は恥をかく事になる。
その辺、どこで着地するのだろうか・・

うちの夫の学校は貧富の差がある地域なため、もう10年以上も前からワールドブックデーはパジャマ登校と決まっている。
それなら誰でも持っている。
格差を感じず皆が楽しめる日となる。

衣装はさておき、私は各子供達が自分の大好きな本を家から持参し、友人らにお勧めするというのは素晴らしいと思う。
うちの息子が2歳から大好きで、この本を毎年学校に未だ持って行ってクラスメイトにお勧めしている本がある。
それはハンガリー人の友人から送られて来た「Berry and Dolly」というハンガリーの絵本の英語版である。
友人の子供が大好きな本で、英語版を見つけたから送るわ!と送って来てくれた。

これが息子にハマってしまい、未だ時々寝る前に読んでいる。
もう何年も何度も読んだ本で、私にとっても思い出の詰まった本であるから、大事に大事にしてある。
パジャマであっても、それが子供達にとって本を知るキッカケとなる日ならば、それが本来の目的となるのであるが・・
学校も大変、用意する親も大変なのである。
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