学校の資金集めの為、うちの子供が通う小学校では年に何度か保護者参加型のバザーやゲーム大会、ビンゴ大会やバーガーナイト(教員やPTAがポテトを揚げ、ハンバーガーを作り売る)を開催する。
今度は学校でのお泊り会(参加費1人2000円、ちなみに素泊まり)もあるし、先日は学校で作った野菜を売る傍ら、教員とスタッフがカフェを出し、保護者から募ったケーキを売ってコーヒーセットで売ったりもした。

うちの娘が生徒会長補佐なので、この販売会を手伝わねばならず、保護者の私も行かねばならなかった。
生徒会は10人の生徒から成り立ち、この子供と保護者がカフェ担当、野菜販売をPTAでやった。

そのカフェを手伝い初めて1時間ほど経過した頃、見慣れないお母さんが「遅れてごめんなさい」と言いながら来た。
娘に聞くと先週から来た転校生のお母さんだという。
学年は娘の1つ下らしいが、そのファミリーはスペイン領のとある島から来たそうで、お母さんはスペイン訛りの非常に強い英語を話し、英語は話すのは苦手・・という感じであった。

7月末で最終学期が終るこんな時期に、なぜその転校生が生徒会に入ったかというと、校長先生が「学校の色々な事に関わる事で、出来るだけ早く学校の事を知り、最高学年から下の学年までの生徒と週1の会議を通して顔見知りを作っておく方が、本人の不安も早く消えるのでは?」という提案からだったという。
これも現存する生徒会員に校長からお話しがあり、投票制で全員一致で決まったらしい。

さて転校生の子は生徒らの身振り手振りの動作や優しい英語で説明しながら何とかやっていたが、お母さんに話しかける保護者がなかなかいなかった。
最初は皆、世間話をこのお母さんに話しかけていったのであるが、すぐに会話が途切れてしまい、結局いつもの仲良しお母さんと話ながらカフェを手伝った。
特にイギリス人のお母さん場合は自分の言語が英語であるが故、英語で話しかけ、その質問に対する答えが全く違った内容で返ってきた場合、「あ・・通じてへん・・」と少し後退するのではないかと思う。
これは多分、どこの国の人でもそうなると思う。

私はこの光景を見ていて、自分の昔を見ているような思いであった。
自分もこの14年間、何度も何度もそれを繰り返し今に至るからである。
どう答えて良いのか分からない、答えた内容が果たして正解だったのかも分からない、妙な距離感が生む孤独感、これらは必ず外国人なら経験してきた事であると分かるだけに、暇になったら話しかけようと決めていた私。

結局、カフェを予定時間より長く営業したため、慌てて後片付けをしなければならなくなった。
余ったケーキを手伝ってくれた子供達と保護者で1つづつ分けた時、私は思い切ってお母さんに話しかけてみた。
「イギリスはどうですか?」と聞いた私に「好き」だと答えたお母さん。
私は「私は住んで13年して、やっと好きだと思えるようになった」と話した。
お母さんは笑った。

私もPTAに2年参加し、繋がりを作った。
結果、どの親が変な奴で、どの親がまともかも分かった。
勿論、その中から仲良くなった人もいる。
私の英語力がヨレヨレだと知ってもらえたし、その上で付き合いたいと思ってくれた人とは今も茶飲み友達である。

今朝、学校でこのお母さんに声をかけた。
私の日本語発音英語とお母さんのスペイン訛り英語で会話するから、周囲のお母さんが振り返る。
ネイティブ英語ではないから、耳に障るのであろう。
目線が気にならないわけではないが、気にしていたら暮らせない。

これから学校関係で色々な人に関わり、たった1人でも、あのお母さんに最高のお友達が出来たら良いなと思う外国人の私なのである。
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