たまーにバスに乗りたいと思う事があり、職場までバスに乗って行く。
バスは誰がこんな場所に住み、誰がこんな場所でバスに乗って来んねん・・と何度そこを見渡しても民家1つ無い、バス停も無いとんでもない田舎を走り抜けていくから、ぼんやり時間をかけて行きたい時に乗るのである。
たいてい車内は私1人で、たまーに人が乗って来るが、街灯も無い、バス停も無い場所から老人が1~2人のみ。
私にしか見えてへん人ちゃうか・・と思う事があり、不思議な場所で降りていく。

さて昨日もバスに久々に乗った。
途中、バスは昔昔に栄えていた名残を残す古い町を通る。
そこから週末などは数人が乗って来るのであるが、若い男性が乗って来た。
カーライル近郊を走るバスは乗り降り口が1つで、運転手さんにお金を払ってチケットを買って乗るシステムである。

運転手さんのすぐ後ろに座っていた私は、その男性が南部訛りであると分かった。
その人が乗って来るなり「○○まで」と運転手さんに言い、クレジットカードを手に持ち「これで」と言った。(「これで」の意味はコンタクトレス決済、つまりカードを機械にかざすだけで支払う方法)

運転手さんは「カードなんか使われへんよ、この辺のバスは」と言った。
男性は「え?コンタクトレス無理なん?!」と驚いた。
私はそれを見ながら、彼の住んでいるであろう南部の都会は、そんな最新の支払い方法が出来るのか!!と思った。

男性は「小銭が無いんで・・」と言うと、運転手さんは「後30分したら次のバス来るから、それまでにお金おろしとき!」と言い、男性をバスから降ろした。
男性は「何でやねん!!」と言い、バスのドアは閉まって走り去った。

こんなにも正しい場面の「ナンデやねん」は無いであろう。
彼の無念を思うと、田舎のバスでごめんやす、そう思うのである。
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