いつも行く魚屋の仕入れ日が火、木、土曜なので、それに合わせて魚を週一のどこかで買いに行くのであるが、今日の土曜は仕事が休みだったので行ってきた。
行くと、やたらに鮟鱇が並んでおり、さばかれていない鮟鱇がパック詰めにされて並んであった。

私もさすがに鮟鱇だけは自分でさばいたこともないから、魚屋のおっちゃんに「切り身あります?」と聞いてみた。
おっちゃんは「あるけど今日中に食べてや。それか冷凍するか」と言った。
切り身と言ったのに、出てきたのは皮を剥ぎ、内臓を綺麗にし、頭を落とした状態の全身だった。

確かに切り身やけども…頭無いだけやんか…
しかし・・デカ!!
おっちゃんは「鮟鱇は身が固いからイワシみたいに骨と身は離されへんで」と無愛想に言った。
包みを渡され値段を見ると£2.50、日本円やと400円くらいだろうか、二度見するほどに安かった。
おっちゃん、ホンマに正解なんか・・?

一緒に行った夫が「安っ!何でこんなに安いの?」と聞くと、おっちゃんは「誰も買えへんからや!」と無愛想に答えた。
ほな何故に仕入れたのか・・そもそもの話が・・
この魚屋は氷の上に置いてあるカウンターの魚は三枚におろしてくれる時もある。
これは、その日のおっさんの気分によるか、それがそもそも出来ない別のおっさんの日かに左右される。
しかし、既にパック詰めにされてある魚はさばいてくれない。

ほんなら、あの丸ごと鮟鱇は鮟鱇を自宅でさばける人しか買う事が出来ないということになるが、一体どれだけのカーライル人に鮟鱇を自宅でさばける人がいるのだろうか。いや、日本人で自宅でやっている人はいるのだろうか・・そもそも丸ごとを目にする事もないか・・

しかしながら、丸ごと鮟鱇を見ると実にグロテスクな顔である。
海中で出くわしたら怖すぎる見た目を、人は何故食べようと思えたのか…尊敬である。

自宅に戻り、トイレの中でユーチューブを見ていた夫が「ウエ〜!」「ゴエ〜!」と言い出した。
「どないしたん?!」とドアの外から声をかけると、「これ見て〜!」と言い、ドア越しにアイパッドを手渡して来た。

夫はユーチューブで鮟鱇のさばき方を見ていたのであった。
初めて見たらしく、逆さ吊りにされた鮟鱇から内臓がドバドバと落ちる様があまりのエグさに衝撃やったらしい。

夫は「アカン…気分悪い…」と言い、そのまま2階のベッドで夕方まで寝てしまった。
出産に立ち会った夫はグロテスクには大丈夫な人間やと思っていたが、まさか鮟鱇で卒倒するとは思わなかった。

悪夢だったのだろうか…しかしながら、ニンニクとトマト、アンチョビとグリーンオリーブ、パセリと白ワインを入れて煮込んで食べたら最高であった。
あんなに安いなら丸ごと鮟鱇を買いたいところであるが、まだその勇気は無い…
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