週末、夫とランチに出掛けた。
湖水地方にほど近く、美味しいパブやレストランが密集するエリアで評判の良いレストランである。
私達の隣の席に、いかにも「金持ちザマスー!!」を醸し出す老夫婦が座っていた。

また後ろの席には、いかにも常連と分かる夫婦と鼻をフガフガ鳴らし続ける犬がいた。
犬は大人しく座っているが、何せこの鼻がうるさい。
最初、マジで豚が座っているのかと思う鼻の鳴りようであった。
レストラン内に犬も連れて入って良いのだなーと、ちょっと違和感を感じるのであった。

この隣の席のザマス婦人が、林檎のデザートを食べ始めてしばらくした頃、店員に「シェフを呼んで頂戴」と言った。
シェフが来て「何か?」と言うと、ザマス婦人は「この林檎、固いわよ」と怒った。

婦人は「私の好みはトロトロに解ける寸前の林檎なの。こんな触感が残った林檎は駄目よ。あなた調理の仕方が分かってないわ。私は家でも林檎のデザートをよく作るから、私の方がコツを心得ていると思うわ。お教えしましょうか?とにかく残念だわ。勉強し直して頂戴」と言った。

シェフは「林檎に関しては難しいと思います。個人の好みがありますし、熱を入れ過ぎてトロトロになったのは嫌いと言う人もいるし、触感が残っている方が好きだと言う人もいる。僕は触感を残して柔らかい状態で火を止めていますが、それでも固いと感じるのは個人の見解だと思います。改善はしませんが、あなたが僕の林檎のデザートを気に入らなかった事には残念かつ謝ります」と言った。
シェフ、よう言うた!!

婦人は「あなたの調理の仕方は間違っていると言っているのよ。もういいわ、下がって頂戴」と言い、シェフを下げさせた。

その後、ザマス夫婦は席を立ち、私達の後ろの席に座っている夫婦に向かい「お宅の犬、鼻に病気でもあるんじゃない?異常な音よ、不快だわ」と言った。
噛み付きよった・・

そして私達の席まで再び戻って来て、私達が食べている肉料理に対し「それシャトーブリヨン?良い選択だわ、楽しんで頂戴」と言って店を出て行った。
何で上から目線やー!!
言われんでも楽しんでたわ!!アンタがヤイヤイ言い出す前までは・・・

犬の鼻の病気て・・・ホンマやったらどないすんねんな!!気悪いやないか・・

翌日、ちょっと古くなった林檎をマフィンにしてみた。
思わず、林檎は柔らかいだろうかと確認してみる私。
結局、あの婦人の影響を受けてしまっている自分に気が付く週末である。



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