イギリスに嫁に来て以来、クリスマスがこんなに苦痛に思えた事はない。
ここが私が感じる、最も大きな文化の違いといっても過言ではないかもしれない。
そもそも、クリスマスの迎え方が育ってきた中に組み込まれていない私は、これを今後の暮らしの中に取り込んでいくのに時間がかかったのである。

そして何より苦痛なのが、毎年、毎年、変わらず同じ料理を食べる事である。
今年は何かなー!?と言う楽しみも何もない。
200%同じ料理が出て来る。

七面鳥はパサパサ、野菜は1時間以上茹でたドロドロ、焼き過ぎたベーコンに巻かれた小さなソーセージは焦げ焦げ&何故だかネチネチ。
もうこれが美味しくなくて、本当に弁当を持参したいと9年思って今に至るのであるが、このイベントだけは義母を怒らせる事が許される雰囲気ではないから、そうも出来ない。

日本の正月と同じで、基本のお節料理の内容が変わらないのと同じなのは100も承知である。
これが伝統的である事も。
がしかーし!!
選択肢の無い食事と言うのは、なかなかの苦痛なのである。

野菜をちょっと固めに茹でて食べたい私は、勝手に義母の調理中、火を止めたりして抵抗などした事もあったのであるが、「まだよ、出来てないわ」と、その後更に1時間ほど放置する。
もう原型の色は無い事もある。
野菜の栄養と触感は、イギリス人には無関係なのであろう。

こうして流動食状態の野菜と、反対にパサパサで肉汁もあったもんじゃない肉を食べる年に1度の苦痛であったが、先日、娘が学校から貧しい国の子供達にクリスマスプレゼントを送った時に考え方が変わったのである。

クリスマスとは年に1度、ささやかでも温かい食事と贈り物に心を満たし、幸福な時間を過ごせせる事に感謝する日だと言う事を。
電気とガスを当たり前に使い、パサパサでもドロドロでも温かい食事を家族と共に口に出来る事に感謝。
こうある日なのかと思って以来、ちょっと嫁にもまともなプレゼントでも買うたろかと思えるのである。

こんな優しさでプレゼントを送っても、嫁はどんな人から貰ったもの全てをネットで売りさばき、小銭を貯める女なのであるが・・・
地獄に落ちたらエエと、たまに思う。

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