さて、週末はハロウィーンであった。
日本でもお祭り騒ぎ扱いになっているようで面白い。

日本に住んでいた頃、一緒に働いていた外国人達がハロウィーンパーティ好きだったので、私は漠然と「外国人はハロウィーン好き」だと勝手に解釈していた。
ところが、こっちに嫁に来てからは、宗教上ハロウィーンに関与しない人も大勢いたり、地域性でハロウィーンをしない場合もあり、決してそうでは無い事を知った。

うちの娘が通う学校は宗教上、ハロウィーンに関する行事は行わない。
無知な私はてっきり仮装で学校にでも行くのかと思っていたら、英国キリスト教会に準じているからアカンと知った。
そら、そうやわな・・。

面白いのは、日本のとある金持ちエリアにある英国インターナショナル幼稚園で、毎年必ずハロウィーンパーティが開催されていた。
そこの先生(イギリス人)と話をした事があったが、ハロウィーンパーティは必須だと言っていた。
インターナショナル学校に通わせている保護者は、基本的に日本にいながら外国さながらの教育現場を希望して通わせている場合が多く、ハロウィーンやイースターなど、例えその意味を保護者がきちんと理解していなくとも、お祭り事として取り入れなければならないのだと聞いたことがある。

うちの前に住む夫婦は、いわゆる宣教師である。
布教活動のため、世界中を飛び回っておられ、滅多に顔を合わす事はないが、今回は珍しくハロウィーンの週末は家におられた様子。

いつものように、夕方5時半ごろから近所の子供達が仮装して家々を尋ね歩き始めた。
不幸にも、この日私達夫婦は高熱と嘔吐で起き上がれず、玄関のチャイムが鳴るたびに、心底メンドクサイと思った。
しかし年に1度の行事であり、近所の子供達が来るのであるからと、何とか熱で痛む足を進めて玄関先で作り笑顔を継続、帰ったら速攻ソファに寝る事を繰り返していたそんな時。

前の家の玄関先で、ちょっとモメているような声が聞こえた気がした。
覗いてみると、子供3人を連れた父親と子供2人を連れた夫婦が、宣教師の夫婦に何やら言っているのが見えた。
多分、夫婦の宗教上、ハロウィーンはタブーであるから、訪れた子供達に詫びたら、親が「ハロウィーンやぞ」とでも言うてんのやろう・・と思ったが、翌日聞いたら案の定そんな所であった。

最近は玄関先に張り紙で「うちはハロウィーンをしないので、玄関をノックしないで」と書かれてあったり、うちの夫曰く、暗黙の了解で、もし玄関の電気が消されてあったり、家のカーテンが閉められてあったら、それは「歓迎してない」の合図やから、その家は通り過ぎる事らしい。
がしかし、中にはひつこくドアをノックしたり、ベルを鳴らし続ける親もいる。

去年だったと思うが、同じ村に住む、越して来たばかりの1人暮らしの女性の家に、同じ村に住む子連れ3人の家族が訪れた。
私はそれを隣の御主人と立ち話をしながら見ていたのであるが、そこの女性はまだ帰宅していない様子で、家の中も真っ暗だったが、家族は5分ほど待っていた。
何度もドアをノックし、ドアベルを鳴らしたものの出てこない。
結局、家族は諦めて帰ろうと歩き始めたとき、女性が車で帰ってきた。

子供は「帰って来たでー!!」と叫び、家族は足早に女性宅に戻った。
暗闇の中、家族が仮装して近づいて来た事もあっただろうし、疲れて帰って来た(この女性は毎朝4時半に出掛ける)直後に、パパラッチのように絡みついて玄関で待ちかまえ、女性に「トリックORトリート」と言い続けた事もあったのか、女性は怒鳴るように「今帰って来たの!状況、分かるでしょ?後にして!!」と言い、家の中に入って行った。

私は隣の御主人と顔を見合わせ、「(>_<)そら、怒るわな・・」と言うたのも束の間。
家族はすぐさま女性宅に戻り、再びチャイムの嵐。
結局、女性は意地でも出てこなかった。

意地でも各家からお菓子を貰わなければいけない、お菓子への執念祭りのようになっている家族もいるのだと思ったものである。
悲しいかな、この家族の子供とうちの娘が同じクラスであり、今回も2回訪ねて来た。
親が一緒で、何故2回来るのか・・うちより遥かに大きな家に住み、外車が4台もあるのになーと思う夜であった。

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