クリスマスイブの24日、夕方から教会にクリスマス礼拝を受けに行った。
私は仏教徒、旦那はカソリックと義母から言われて育ったものの、実は無宗教にほど近い。
しかし、ここで子供を育てていると教会に関係せねばならない事もある。

うちの子供2人をどこの教会も受け入れてくれなかった中(私たち夫婦がカーライルに縁もゆかりもない新参者だったのと、私が仏教徒なので快く受け入れてくれる教会が無かった)、友人の紹介で快く洗礼式を受けて下さった神父さんには、やはりこんな時は挨拶に行くもの。

うちから車でぶっ飛ばす事30分、小さな小さな村の教会にて今回の礼拝は行われた。
教会に入ると、見るからに優しそうな老婆が私たちを迎えてくれた。
「あら?あなた見た事ない顔ね?どこから来たの?」と私の手をさすった。

旦那が理由を説明。
本来なら、受けて下さった教会と神父さんへの義理立てとして、毎週の礼拝に通わなければならないのかも知れないが、クリスマスだけ挨拶に伺わせて頂いていると説明。

老婆は「いいのよ。どんな宗教も来る回数も関係ない。ただクリスマスという日を、平和に過ごせる事に皆で感謝するのが目的なんだから。さあ、さあ・・入りなさい」と迎え入れてくれた。

息子は走り回り、娘はキョロキョロするばかり。
後から続々と入って来る村の人から見れば、私は見た事のない顔。
しかもアジア人を見るのが珍しいから、完全に宇宙人を見るような目であったが、それでも下手なレストランや飲み屋などで受ける怪奇な目とは完全に違う。

老婆が教会内にあるロウソク1本1本に火を灯し始めた。
それを娘がジーっと見ていたからか、老婆が「さあ、手を繋ぎましょう。私のお手伝いをしてね」と、娘の手を引きながら火を灯して行った。
その光景が何とも温かく、人の温かみとはどんな物にも変えられないと改めて実感する。

教会の一番後ろにあるロウソクに火を灯そうと、老婆は後ろに置いてあるツリーを横切った。
ツリーには電飾が飾られてあり、コードは床に無造作に置かれてある。
瞬間・・コードが老婆の足首に絡まり、それをうちの旦那が「あ、危ないですよ。ちょっと!ちょっと取りますから、じっとしてて」と言った。
老婆はそのままジーとはしておらず、何故か旦那の方に向きを変えた為、コードが更に絡まった。

ジーっとしていれば良いものを、うちの旦那が絡まっているコードを外している最中に自分でも取ろうとしたから、そのまま前のめりに倒れてきた。
手には火が付いたままのロウソクを持っている。
老婆は「受け取ってー!!と言い、ロウソクを旦那に投げ渡した。

無事にロウソクは受け取ったが、ツリーごと老婆は転倒。
コードの絡まりを取るのに20分ほど要し、礼拝が遅れた。
老婆に怪我はなく、「よくあるのよ」と笑っていた。

帰り際「いつでもいらっしゃいね」と老婆が私の頬を撫でた。
こんな出会いに心が和む。

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