私が住む集落には、およそ25件ほどの家がある。
国道沿いから少し入った所にあり、周辺は羊が放牧されている牧場しかない。

この家が立ち並ぶ突き当たりには、「立ち入り禁止」と書かれた看板と鉄格子がある。
その先は、急に深い森になっていて、中は全く見えない。

もともと、ここは第二次世界大戦時、この森の中に戦車や武器を隠す基地を設けていたそうで、当時はこれを管理する軍の関係者が住んでいたらしい。
その後、戦争が終わり、警察が所持する武器や車などを隠していたため、今私が住んでいる家も、かつては警察関係者の家族が住んでいた。
今も、6件ほどは警察上官クラスの人が住むデカイ屋敷がある。

私の上司の旦那さんがカメラマンをしていて、以前、上空からここの写真を撮ろうとしたが、ただの森で何も見えなかったそう。

私が住む集落の鉄格子が、恐らく「裏門」にあたる。
そしてここから40分ほど歩いた隣村には、「表門」らしきものがあり、ここは厳重な防犯カメラと鉄線が張り巡らされている。

子供を連れ、昼の2時ごろ戦闘機見たさにここをウロウロするが、もう1つの狙いはこの中を見たい!!と思う好奇心から、やたらにこの辺をウロウロしている私である。

ベビーカーを押していると、怪しまれないので助かる。
一体、何を隠しているのだろうか・・・