ウィルウェイ です。
本日は「雨氷」についてご紹介します。
雨氷は、0℃以下でも凍っていない過冷却状態の雨(着氷性の雨)が地面や木などの物体に付着することをきっかけに凍って形成される硬く透明な氷のこと。着氷現象の一種でもある。
雨氷は、物体表面に硬く滑らかで透明な氷の層を作る。同じ着氷現象の一種である樹氷や粗氷とは、色や性質により区別されている。樹氷は白色不透明、粗氷は半透明なのに対して、雨氷は透明である。また樹氷より粗氷の方が固いがどちらも手で触れば崩れる程度の硬さであるのに対して、雨氷は固く手で触った程度では崩れない。色や脆さの違いは、気泡の含有率に起因している。樹氷は小さな気泡をたくさん含むため白色で脆く、粗氷は樹氷よりは固いがそれでも気泡を多く含むため半透明を呈する。一方の雨氷は気泡の含有率が低いため透明であり、氷が形成されるとき水滴同士が融合しあうため表面が滑らかになる。雨氷の密度は約0.9であり、純粋な氷とほぼ同じである。
なお、0℃をわずかに超えた雨粒が0℃以下に冷えた物体に付着しても透明な氷ができ、雨氷と混同される場合がある。また、積雪が融解したあと再び凍結するなどして透明な氷ができることもある。これらは雨氷ではない。なお、再凍結によりできるもののうち、たとえば細く地面に向かって垂れ下がるものは氷柱、反対に空に向かって伸びるものは氷筍という。
着氷性の雨が発生する条件として、地上気温は0℃からマイナス数℃の狭い範囲に限られ、後述のように上空に適度な厚みの逆転層が存在することが必要である。ごくありふれた現象である雨や雪と比べて、雨氷は目にする機会が少なく、発生頻度も低いため、珍しい気象現象とされている。
低地の平野部よりも、地形に起伏のある山地などのほうが発生しやすい。これは起伏により逆転層が形成されやすくなることなどが原因である。
雨氷が物体に大量に付着すると、樹木の枝が重くなって折れ曲がったり、地面に氷の層を作って人の転倒や車両のスリップを引き起こすなど、被害を発生させることがある。一方、樹木などに付着した雨氷が美しい風景を作り出すという側面もある。着氷性の雨や霧は上空でも生じるが、これにより雨氷が航空機の翼などに付着して運行に重大な支障を引き起こす例がある。