~My memories~ 著:WILL -936ページ目

【プロローグ 1 】 ~My memories~ 桜便り


【 さくらトンネル 】


1996年3月30日


病院の病室で窓から見える桜を見ながら、妻が囁くような声で私に言った・・・

『ねぇ、タクちゃん・・・』

『ん?何だい・・・?』

『今年も、あそこで桜のトンネル見られるかな・・・』

『トンネル・・・?あぁ~、目黒川の桜のことだね。』

『うん。あそこの真っ赤な橋から見る桜って、トンネルみたいでしょ。』


『そうだね。今年もきっと満開になるよ。』

そう私が答えると・・・


$~My memories~ 著:will

『うん。楽しみ♪』と、

少し元気な声で囁いた・・・

私は震える体と、溢れ出しそうな涙を堪え、

『ああ・・・必ず見に行こうな!』

そして、私は心の中で叫び続けた・・・

必ず!・・・

 必ず!と・・・

その夜、妻は、まるで満開のさくらのトンネルを歩いている夢を見ているような、

とても、おだやかな顔をして、眠りについた・・・


$~My memories~ 著:will


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