ウィルPMインターナショナル 永峰幸侑のブログ -3ページ目

蟹は甲羅に似せて穴を掘る

『蟹は甲羅に似せて穴を掘る』
人がその人の分に応じた考えや行動をすることの例えです。

そして、人は自分の分を量るために、
他人の評価を参考にします


つまり、レッテルを貼るということは、
貼られた人の人格形成に大きな影響を与える
ということですね。

ちなみに、このことを『ラベリング』と表現したりもします。

このラベリング、一度行ってしまうと、
そのイメージを覆したり、他のイメージに
目を向けさせるのはなかなか難しいのです。

そのような中、イメージを変える(本来注目すべき長所に
目が向くようにする)ことに成功したのがP&Gのパンテーンでした。

5%のシェアでヒットと言われるシャンプー市場で、
90年代初頭には10%のシェアを誇ったパンテーン。
しかし、2000年代前半には、シェアが1.6%まで落ちるという
大失速。一度落ちれば二度と復活することはできないと言われる
市場でパンテーンは低迷の一途をたどるのでした。

その低迷の結果を分析したところ、
『髪の傷みに効果的』という最大の特徴が、
顧客ターゲットの拡大のために、その他の特徴が多く
羅列されてしまっていたということだったのです。

つまり、『頭皮ケア』、『きめ細かいアワ』などといった
製品の一番の強みとは別の多くのメッセージが、
顧客を戸惑わせ、選定・購入決定を鈍らせたということです。

そこでP&Gが行ったのは、『ミステリーキャンペーン』

名前を伏せて、ただ『髪の傷みに効果的』という特徴を
強く前面に押し出したキャンペーンだったので、
記憶に残っている方も多いのではないでしょうか?

結局、キャンペーンが終わって、謎のシャンプーは
パンテーンだったのかという感は否めなかったですが、
これを機会に多くの人のパンテーンに対する色々なイメージが、
『髪の傷みに効果的』に塗り替えられた
(集中された)のではないでしょうか。

そして、謎のシャンプーと称されたものを使用した人は、
パンテーンという『ラベリング』を外して、
それらを使ったので、従来のパンテーンのイメージに
とらわれることなく、効果を検証・実感できたのだと思われます。

ちなみに、パンテーンはこの後シェアを8%台まで戻しています。

一度、貼ってしまったラベリングをはがすことで、
高い効果を出した事例ですね。

みなさんの仕事・部下上司のコミュニケーションの中でも、
ラベリングしてしまっていることが多くあるのではないでしょうか。

さすがに、部下上司のコミュニケーションにおいて
『ミステリーキャンペーン』は難しいですね。

しかし、ランチミーティングをしたり、飲みに行ったり、
商談同行後に少しだけ一緒にお茶を飲んだりするだけで、
普段の業務中だと目がいかなかったり、評価できていない面を
知ることができるかもしれません。

新年度が始まって約2か月…
知らず知らずラベリングで評価・判断していないか
振り返るにはいい時期かと思います。

そして、悪いラベルを貼っていたら、良いラベルへ。
『蟹は甲羅に似せて穴を掘る』のですから。