エイルズウェルを通過してすぐにインプに襲われた。
丁度いい練習相手だ、と思ったのも束の間、あとから来た帝都警備兵が、俺の後ろからインプを叩き伏せた。
・・・びっくりさせないでくれ。まったく。

-洗手の洞窟-

エイルズウェルの住民を透明人間にした元凶の魔術師・アンコターが住むといわれる、
カラクタカス砦を南に見ながら、帝都を見下ろす通称「Three"R"」街道を東進していくとすぐ北に、
「洗手の洞窟」を見つけた。
どういう謂れのある洞窟だろうか。まさか俺に稼業から足を洗えというわけじゃあるまい。
入口に高貴そうな人物像と、青い魔法の焔が燃えているところをみると、何かいわくありそうな洞窟だ。


-セルセン(アイレイド)-

その
まま東へ先を急ぐと、アイレイドの遺跡、セルセンを発見した。いつか探索してみたいものだ。
さらに東には宿屋ロクシーと書いた看板が見え、それよりもかなりこちら側、にはアイレイドの井戸らしきものも見える。後ほど調べにいこう。
それよりいまはセルセンだ。冒険者の信条、
というより今までの専門稼業のクセで、入口だけでも拝もうと、近づいて見ることにした。

・・やれやれ。例によって盗賊だ。しかも狼と女の軽装戦士ときた。
先ほど発見した洗手の洞窟が暗示していたものは、やはり昔の稼業から手も足も洗えというお告げなのか、と苦笑しながら盗品のロングソードを抜いて構える。



-アイレイドの井戸-

セルセンとロキシーを結ぶ街道沿いの南に、アイレイドの井戸を見つけた。
青く輝く光を浴びると、自らのマナが活性化し、消耗した精神力が回復していくのを感じる。
エルフの御業の素晴らしきこと、魔法の如しだ。

心機一転、探索を続けることにする。



-苔石の洞窟-

またもや手痛い打撃を受けた。
1度ならず帝国兵に助けられるとは、屈辱以外の何物でもないが、命を落とすよりはましと思っておこう。
ほかに危険はなさそうなので、先ほど向こうに見えた宿屋ロクシーでひと時程休ませてもらう。
発見する。途中アイレイドの井戸もあった。
宿の裏手には、苔石の洞窟があり、名前通り苔むした石がところどころに見当たる。




旅立った直後に、これだけの探索可能なダンジョンを発見できたことは、ある意味では幸運だったのだろう。

なんてこった。透明人間なんて、大魔術師の英雄譚やおとぎの国の話でもあるまいし。



-透明人間-

・・なんとクワだけが中に浮かんで畑を耕している。
夢ではない。
透明化や半透明化という呪文を駆使して盗みを働く盗賊がいるという話を聞いたことがある。
それを考えると、確かに、あり得ない事ではない。だがなんという怪異だ。
おっかなびっくり近寄ってみると、確かに人間らしい靄が見える。
突然

「おい!そこのカボチャを踏まないでくれよ旅の人!」という声。



さすがの俺も、驚いて足元のカボチャを踏みつぶしてしまった。
「あ、ああ、すまない。まさかクワがカボチャを食べるとは思ってなかったので、驚いてしまった。」(我ながら情けないウィットだ。)
驚いた。どうやら彼らはれっきとした人間で、ある日突然、自分が透明になったことに気付いたそうだ。
詳しいことは、宿屋のディラム・セレンに聞いてほしいという。

立ち話をしていると、当のセレンがやってきたらしい(なにぶん見えないもので)。
話を詳しく聞いてみると、どうやらエイルズウェルの住人は数週間前から忽然と姿がきえてしまったらしい。
彼は「透明人間が宿を切り盛りする大変さ」をひとしきりブチまけたあと、
俺に依頼してきた。

これは、数年前から近くの砦で錬金術の研究を始めたアンコターという魔術師の仕業らしい。
今までこそ、彼の魔術の実験で迷惑を被っても、黙っていた住民も、今度ばかりは根を上げたということらしい。
つまるところ、彼をを見つけて、この呪わしい透明化を解呪してほしいそうだ。
アンコターは、エイルズウェルから南東に向かって坂を下りた先の、カラクタカス砦にいるらしい。


とりあえず、依頼だけ受けておいてブルーマに向かう事を優先しよう。
村人には、ブルーマから帝都に戻る途中、必ずカラクタカス砦を探索してみる事を約束し、先を急ぐことにする。

やれやれだ。
盗品商の居るブルーマへと向かう途中、早速冒険者としての依頼だ。
・・・・・ワインをあつめろだと?


-ワインの砦-
宿屋ウォーネットにて。

帝都を囲むルマーレ湖西岸に伸びる唯一の橋を渡ったところにある宿屋、ウォーネットで「影滅のワイン」を6本探してほしいと頼まれた。
どうやら帝国軍が打ち捨てた砦の見張りの為に、優先的に醸造されたワインらしい。
つまりワインを見つけたければ、モンスターや夜盗ども(我々のようなプライドを持った盗賊とは違う。)の巣窟になっている砦を探索しろということだ。やれやれ。


宿屋をを出て目の前にも砦があるが、そこから出てきたオオカミに手厚い歓迎をされ、
あわや、というところで巡回中の帝国兵士に助けられた(俺をひっとらえた帝国の兵に、とは、大変屈辱だが)。
どうやら長年の監獄暮らしのおかげで、体が大分衰えているようだ。

しかし、事実は事実として認めなければ。
大切なのは、今の状況を正確に認めることだ。
現状を把握しなければ困難を打開することはできない。

とりあえずは、ブルーマに向かう道中にみつけた砦の名前を書き込んでおくことにする。

・ニケル砦
帝都西・宿屋ウォーネット近く
・エンパイア砦
帝都北西(インプが徘徊していた。)