ヴォーン=ウィリアムズ:オーボエ協奏曲
ここ大阪でも梅雨が明け、連日猛暑が続いている。子供の頃は夏休みもあり、この季節はワクワクしたものだが、歳を重ねるにつれこの暑さが身に堪えるようになってくる。小泉政権の時代に「ク-ルビズ」が提唱されるようになり、少しはマシにはなったというものの、ファッション業界の有識者からはクールビズ以降の日本の男性の夏の服装がダサくなったと言われるようにもなる。スーツスタイルは一つの完成形なので、それを崩しにかかるクールビズはいかがなものかという理屈だ。確かにファッション性という観点だけならばそれは否定しないが、何しろサヴィル・ロウ(「背広」の語源)の国イギリスの夏の気候は日本の石垣島の冬に相当する。これを内地に住む我々に置き換えればだいたいゴールデンウィーク前後。そりゃあ夏でもスーツ着るでしょうよ。それを高温多湿な日本の夏に当てはめられても困るというもの。むしろ気候の近い沖縄のかりゆしを夏の公用服にすべきではないかと個人的には思うのだが。
とまあ個人的な恨み節から始めてしまったが、このヴォーン=ウィリアムズの協奏曲は、まさにそのような英国の気候がそのまま音楽に反映されているように思えてならない。ドビュッシーやラヴェルの音楽を色彩にたとえればパステル調ということになるだろうが、ヴォーン=ウィリアムズのそれはさらにそこにグレーを混ぜたかのようなスモーキーカラー。ちなみに今シーズンのファッションでもこのスモーキーカラーがトレンドであり、そういう意味ではこの音楽もトレンドにマッチしたものと言えなくもないかも。
この作品はイギリスの往年の名オーボエ奏者であるレオン・グーセンスのために1944年に作曲された。この楽器の持つ牧歌的なキャラクターが前面に出た名作である。