音楽畑のコンサートっていうのは、

フュージョン系のゲストが多いんです。



服 部  細川たかしとは、弘前まで、『じょんがら節』を一緒に聴きに行きましたが、そういう付き合いだけじゃない。彼の巡業もすごく気に入って、一緒に行ったりしました。五木ひろしのときは、ラスベガスのヒルトンホテルで一緒にやりましたよ、ショーを。3連チャンだったかな。




菊 地  すごい。




服 部  それから、小林旭が『昔の名前で出ています』を歌ったとき、なんか妙に気が合っちゃって、「全日本ツァーやろうよ。俺、音楽監督やるから!」なんて言っちゃって、あいつと一緒に周りましたよ。でも、行くところ、行くところ、怖そうなお客さんが来る(笑)。これまた可笑しくて、大笑いしちゃって。怖い人がいっぱいいましたけどね。



菊 地  でも、そういう人たちって、涙流して聴いてくれるんじゃないですか。




服 部  そういう人もいらっしゃると思いますが、大体は、奥さんがファンなんです。ウチのかみさんが好きなんだよってね。



服 部  それと、あいつは酒飲みでねえ~、もう、あいつのせいで、3回血を吐きましたよ。ガロン瓶というんですか、取っ手が付いた4リットルぐらい入る大きな瓶があるでしょう。アレに酒を入れて、行きつけの店にキープしていましたので、いつも朝方まで付き合わされていました。




菊 地  いろんな友だちがいて、交遊録そのものが先生の財産になっている。



服 部  ジョージ・ベンソンと一緒にやったこともあります。演歌からジャズまで、何でもやるのがプロだと思っていましたから。




菊 地  音楽という仕事とその周辺を常にプロの視点で見ていた!



服 部  店開いて(作曲家になって)、偉そうに演歌は好きじゃないって言うのは結構だけど、キライっていったら、書けないでしょう。僕は、演歌のルールでは書けないけど、どうやったら、相手がうまい歌手に見えるかっていうメイクは知っている。




菊 地  とにかくいい作品をつくりたい、という意識でずっときているんですね。



服 部  どちらかといえば、フユージョンはこちらの手の内ですね。大体、『音楽畑』のコンサートっていうのは、フュージョン系のゲストが多いんです。




菊 地  そうみたいですね。



服 部  渡辺香津美さんは、彼が若いころにゲストとして参加してもらっています。スタジオミュージシャンだったころですね。それから野呂一生さんとか、佐藤 竹善 さんとかですね。ロック系だと、大友康平さんや渡辺美里さんも参加しています。



菊 地  17作目は、ギターが香津美さんと野呂さんで、ドラムが則竹裕之さんでしたよね。カシオペアやT-SQUAREの名だたるメンバーが参加していて、すごい。



服 部  則竹さんが参加しているT-SQUAREとは付き合いが長いですからね。みんな一緒に飲んだりしていますから、みんなで安心してできるって感じです。




菊 地  鳴瀬喜博さんや北島健二さんらも参加しているし、本当にすごいです。




服 部  みんな若いころから参加していますから、戦友みたいな関係ですね。




菊 地  でも、はっきりいって、年代がちょっと違いますよね(笑)。




服 部  そうそう(笑)。だから、僕がある位置になって、彼らがニューカマーで来たときに一緒にジョイントしたりしたんですね。




菊 地  音楽って、努力も大切なんですけど、主に感性じゃないですか。年と共に鈍りません?




服 部  ある時期かなぁ、ウチの親父(服部良一先生)はあんなにいっぱいいい曲書いてきたのに、パタッと書けなくなっているんですよね。60年代になってからは、書いているんだけど、前のメロディとはぜんぜん違うメロディになっている。あんなにすごく書けた人が突然書けなくなっちゃうというのは、何かなぁと思いますよ。




菊 地  怖くないですか、それって。




服 部  医学的にはわかりませんけど、そういうのを間近で見ていますからね。どっかで、そうなる怖さってあります。




菊 地  この間、雑誌を読んでいたら、ヤマハ楽器のドラムを立ち上げた萩原さんがでていました。引退なさるそうです。




服 部  そうですか…。



菊 地  萩原さん自身は、現場によく行って音を聴くそうですが、最近は、楽器メーカーの技術者が現場にほとんど来なくなったと嘆いていました。




服 部  あ、そうですか。そういうものなんですかね。




菊 地  「昔はよく行ったんだよね」という言葉が、年齢とともに仲間から出てくるんだけど、僕はいまでも行っています、とおっしゃっていました。




服 部  えらいですよね。ほかの人たちも、怠けているわけじゃないだろうけど。



菊 地  萩原さんの言葉から、われわれも、ちょっと油断すると、CDを買う枚数が激減してしまうことに気付かされましたね。



服 部  あ、それは、もうしょうがないですねえ~。CDショップに行くことが、何かおっくうになっちゃってね。



菊 地  でも、寂しくてねえ~。なんか歳のせいかなぁと思ってね。



服 部  (笑)




菊 地  最近は、また一生懸命聴きはじめましたし、先生が関係しているアルバムはたくさんありますから、CDを買う枚数が激増しそうですよ(笑)。




服 部  ありがとうございます。