最近、テレビでグッドウィルの二重派遣問題に絡めた特集がけっこう組まれているが、問題となっている派遣元事業者のビジネス慣習は氷山の一角にすぎない。オレの手元にある死亡事故資料、健康診断勧告書(結核感染)、告知及び弁明の機会付与通知書(路上禁煙及びポイ捨て防止条例違反)、賃金比較表…、これらから社会問題になっている核心部分をひも解いていくと、氷山の全体像が具体的にみえてくる。
政治的過疎地帯という名の氷山…、全体像はそんな表現が似合う。そして、そのキーファクターはまちがいなく派遣先事業者のビジネス慣習である、と断言できる。あえて誤解されやすい言い方をすれば、政治的過疎地帯=政治的な強制を伴う教育がなければいつまでも害毒を流し続ける最悪のビジネス慣習である、となる。もちろん、まともな派遣先事業者も存在しているが、コンプライアンス及び福祉という視点から検証していくと、政治的過疎地帯…という表現がふさわしいのではないだろうか。
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備に関する法律
第30条(派遣労働者等の福祉の増進)派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者又は派遣労働者として雇用しようとする労働者について、各人の希望及び能力に応じた就業の機会及び教育訓練の機会の確保、労働条件の向上その他雇用の安定を図るために必要な措置を講ずることにより、これらの者の福祉の増進を図るように努めなければならない。
労働安全衛生法
第3条第1項(事業者等の責務)事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に協力するようにしなければならない。
労働基準法
第1条(労働条件の原則)第1項労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
上記の法律を遵守していくことは、言うまでもなく当然のことで、ここから派遣先事者の一切の問題点を割り出してゆくべきである。このまま氷山の一角だけをとらえて、一つのセンセーショナリズムが形成されてゆくならば、政治的過疎地帯は膨大な組織に転化し、個人の尊厳と個人としての善意が容赦なく抹殺されていく世界になるのはまちがいないだろう。