
池上本門寺は、鐘番の岩戸義幸氏が夏冬休みを除き、毎日2回(5:00/18:00)、鐘を突き続けている。今日は、日中ずっと息子に買い物に付き合わせていて多分つまらなかったのもあり、家に戻ったら自転車で散歩に行こうと約束していた。自転車の準備をし、家を出たのがちょうど17:30頃だったので、本門寺に着く頃には夕刻の鐘が鳴る時間に間に合うかなと思った。境内は子連れの散歩客が結構来ていた。真夏になってくると、こういう場所に、特に夕方に訪ねたい気分になる。祭りの前のような、後のような、静けさや、蒸し暑さや、季節感が一気に湧いてくるとこういう場所に来てみたくなる。
18時になると鐘が10回ほど鳴り響いた。池上の街の人は江戸時代の頃からずっとこの音を聞き続けてきたのだろう。僕は息子と一緒にこういった時間を共有することで、なんとなく、自分の子供時代にタイムスリップしたいのかもしれない。40年以上前の子供の頃に感じていた感覚的なものが息子といると、鮮明に思い出されることがある。あぁ、そう言えばあの時、僕はあんな風に考えていたなと思い出されることがしばしば起こる。
息子は今はどんな風にこの景色を感じているのか分からないが、大人になって昔を思い出すとき、お寺の鐘の音や夕方の街の色が、パパとの一緒にいた時間を現すものであってほしいと思った。