
緊急事態宣言が延長されたが、休業要請が都道府県によっては解除の方向で検討され始めている。コロナウィルスの解決策は依然として見えないが、いつまでも経済活動をストップさせていると、今度は別の理由で死ぬ人が増えるという理屈だろう。大企業に勤める人間は、恐らく、経済活動再開も重要だが、感染リスクを抑える施策のほうが良いと思うだろう。改めて、通常に経済が動いていての企業活動であり、循環が滞ると、まずは小舟から沈み始めることを感じさせられた。大船には大船の不条理があるが、小舟はすぐに沈む・沈まないの問題になってしまうところが極めて厳しい。
そんな中、僕は今、次の仕事に向けて、徐々にアクセルを踏み始めている。正式な人事発令は出ていないが、社外への出向のため、任意のスタートがしやすく、さらにコロナウィルスによる在宅勤務の増加もあって、いつの間にかどちらが本業か分からなくなるくらい業務配分が変わってきている。
けれど久々に興奮できる仕事になるかもしれないと思っている。僕が大学の頃にWindows3.1が発表され、インターネット≒電子メールのイメージくらいしか誰も思っていなかったのが、あっという間にネット社会になり、その後のスマホの登場で人々の生活様式は一変した。僕が属している金融業界も金融ビッグバンからネット金融がスタートし、超低金利社会が続く中で、銀行を始めとする金融ビジネスが大きく変わっていった。日本の金融業界はスマホと同様に世界のスピードから出遅れていて、未だ、従来の大手金融機関が幅を利かせている。だが、Amazon、楽天、ソフトバンクといった新興企業が徐々に伝統的な金融機関の領域を侵し始め、僕の所属する会社も含め、足許から段々浸水し始めてくる恐怖感に対して暗中模索な状態になってきつつある。華麗なる一族の「小が大を食う」ではないが、プラットフォーマーがFintechで金融機関の勢力図を大きく塗り替えようとしている。
僕は、この変化の流れの中で、日本の金融ビジネスを大きく変えることができる可能性のある企業でこれから働くことができることが非常にワクワクして楽しみだ。自分の考えるビジネスが社会のためになり、日本の「金融包摂」に貢献できるとするならば、これほど遣り甲斐のあるものはないと思う。