急増、イランで進む“巨大”プロジェクト

急増、イランで進む“巨大”プロジェクト
合意を受けて、先月、国際社会からの制裁が解除されたイランでは今、外国人観光客が急増しています。このブームを見込んで、首都テヘランでは日本でも有名なあの人がデザインした巨大プロジェクトが動き出しています。　「テヘラン市内にある建設現場に中東最大の穴があるといいます。何が造られているのでしょうか。中を訪ねていきます」（記者）　敷地内に足を踏み入れると、深く巨大な穴の底で作業員たちが動き回っています。　「あの入り口部分から掘り進めて、一番下まで７３メートルあります」（ホテル開発会社 マネージャー ダストランジさん）　実は、高級ホテルの建設現場なんです。地下部分だけで１９階、地上部分は２８階建てで完成すればイランで最大のホテルになります。設計したのはあのザハ・ハディド氏。ここでも奇抜なデザインは健在です。　世界遺産を数多く抱えるイランでは、欧米との融和が進んだことで観光客も急増していますが、ホテルの数が圧倒的に不足しています。　「ホテルが不足しています。観光客がたくさん来ていて、観光シーズンの予約が２０１７年末まで埋まってしまっているのです」（ホテル開発会社 マネージャー ダストランジさん）　そこに商機ありと見ての巨大プロジェクトですが、“アンビルト（建てられない）の女王”とまで呼ばれるザハ・ハディド氏の複雑なデザインで、建設の難易度は極めて高いといいます。　現在、地下５階分まで建設が進んでいますが、完成までには外国企業の技術と資金が必要です。その交渉はこれまでなかなか進みませんでしたが、先月の制裁解除後は・・・　「全てが変わりました。以前は単に話を聞くだけでした。でも今は、本気で契約したいという外国企業があります」（ホテル開発会社 マネージャー ダストランジさん）　すでに、タイやアラブ首長国連邦の企業から出資の提案があったといいます。マネージャーは先日、東京にも乗り込み、日本企業相手に売り込みを行いました。　「お金だけが欲しいんじゃないのです。技術やマインド、心構えも輸入したいのです」（ホテル開発会社 マネージャー ダストランジさん）　外国資本を呼び込んで予定通り２年後に完成すれば、“制裁後”のイランの象徴ともなりそうです。（14日15:32）