若者の間にブレイクする「自撮り棒」 | also171のブログ

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若者の間にブレイクする「自撮り棒」
スマートフォンの先端に装着して、自分の方にカメラを向け自らを撮影する「自撮り棒」が若者の間で大人気だ。このディバイスが発明されたのはもう40年近くも前に遡るそうだが、ニョキっとバーを伸ばして撮影している姿、やたらと目立つ。自撮り棒はカメラの備えている致命的な欠点を補ってくれる。カメラとは、あたりまえの話だが原則、撮影者が被写体になることができない。タイマーを使う手もあるが、明確なアングルを決めるというのはちょっと無理。で、これが可能になる便利なツールというわけだ。そこまでして撮りたいのか?ただし、である。これを使って「自撮り」している風景、なんとなく傍目からは(とりわけ年配者からは)不自然に思えないこともない。「そこまでして自分を撮りたいのか?」みたいな印象を抱く人間、結構多いらしいのだ。そこで、こんな物言いが出てくる。若者は承認願望が強い。だが現代社会において弱者、しばしば社会的にはほとんど存在が無きに等しい。そこに自撮り棒。これは「存在証明」「自己主張」にはもってこいに映っているのではないか……若者論論者なら、こんな分析をするかもしれない(若者論は、しばしば「自己」とか「アイデンティティ」とか「存在証明」みたいな言葉を使いたがる領域なのだ)。ただし、もしあなたがこういった分析に同意したとするなら、それは単に「自撮り」することに躊躇する自分の立ち位置を無意識に正当化しようとしているゆえに、そうなるに過ぎないのだと考えたほうがいい。もとより、彼らの自撮りの理由はメディア論的視点からすれば、もっと他のところにあると見るべきなのだ。ちなみに、昨年の夏、僕はバンコクとタイのリゾート、暮れにはバルセロナに滞在したが、旅行者の集まる繁華街やリゾートのあちこちでこの自撮り棒を目撃した。これは一昨年には見られなかった風景だ。そして、これを利用している人間は別に日本人に限定された話ではない。欧米、アジア、とにかくあっちこっちからの人間が利用しているのだ。なんのことはない。現代社会における便利なツールと考えた方が的を射ている。この連中が存在証明したい、自己主張したいなんて思っているとは、到底思えない。