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「iPhone6」(左)と「6プラス」(宮崎裕士撮影)  またもアイフォーンが貿易赤字の“主犯”に-。財務省が22日発表した9月の貿易統計によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は9583億円で、27カ月連続の赤字となった。赤字幅も前年同月より拡大したが、液化天然ガス(LNG)などの燃料輸入とともに赤字を拡大させたのは、新型機が発売された米アップル社のアイフォーンの輸入増だった。 貿易統計によると、輸出は自動車や鉄鋼、船舶などが好調で、6兆3832億円と2カ月ぶりに増加。伸び率も前年同月比で6・9%増と低くはなかった。だが、輸入も輸出と同程度の6・2%増と拡大。全体額が多かったこともあり、赤字拡大につながった。 項目別でみると、輸入を押し上げたのは、東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う原発の長期停止による火力発電用の燃料輸入の増加。特に9月は液化天然ガス(LNG)が21・0%増の大幅増だ。 だが、影の主役といえるのはアイフォーン。アイフォーンを含む通信機輸入は11・6%で、輸入増加率のうち0・6ポイント分を占めた。LNGでさえ1・5ポイント分の寄与だったことを勘案すれば、インパクトの大きさは明白だ。 実はここ数年、アイフォーンの新型機が発売される毎年9月は、日本向けアイフォーンを生産する中国からの通信機輸入が大幅な拡大の一途をたどっていた。「アイフォーン5」発売の2012年9月は2・5倍以上に増加、「5s」「5c」が発売された13年9月も同90・8%増だった。 そして、今年の新型機となる「6」も、9月19日の発売から3日間で販売台数1000万台を達成したと米アップル社が公表しており、エコノミストからは、「9月は赤字拡大の可能性が高い」と悲観視する声が上がっていた。実際、中国からの9月の通信機輸入は8・2%増の大幅増で、日本のアイフォーン人気が貿易赤字を押し上げた構図となった。 今回の貿易収支の結果については、政府関係者も固唾をのんで推移を見守っていた。今年に限ると、9月の貿易赤字拡大は、政府が消費税率10%引き上げ判断の材料とする7~9月期の国内総生産(GDP)にも悪影響を与える可能性が高いためだった。 そして結果は、アイフォーン人気による貿易赤字拡大を余儀なくされた格好。ポケットサイズの小さな通信機器が、日本の経済政策を左右するまでになっている。