ウィルチンソン オフィシャルブログ -28ページ目

久しぶりのブログにて

お久しぶりです。ウィルチンソンのチンさんです。
ブログを書くのは約2ヶ月ぶり、そう、あの震災後以来の更新になります。
ご心配おかけしました。

宮城の家族や友人は皆無事で、育った町は壊滅したけれど、命だけは助かったというラッキーを手に入れました。
それでもかつての友達や、友達の家族なんかは亡くなってしまったりしました。

ウィルチンソンはこれまでの活動を見ても宮城には非常に縁があり、まあ出身地なので当たり前なのですが、
とてもショックで、受け止めきれないほどの大災害を被ってしまいました。



僕はあの日から、何度か宮城入りをしてきましたが、価値観が変わってしまい、
一時は「演劇」の無力さを感じ、早く予定のものを終えて宮城に帰ろうとさえ思ったほどです。


でも、それでも2ヶ月経過した今こうして演劇に携わっているということは、
そういうことなのでしょう。
宮城に帰ったとしても、
1人でもいいからただ笑わせるような演劇なりパフォーマンスなりを作りたい、
と思っていたんですけどね。



演劇でどうこうとか、脚本や演出でどうこうとか、そういう政策的な向上心が無くなってしまったのです。これは良くも悪くもな事ですね。
ただ生きていられればラッキーという価値観を手にして辿り着いた心はそこでした。

目の前の人とか泣いてる人を笑わせる方がいい!と絶対的に思いました。

でも、宮城に帰っていないということは、そういうことなのでしょう。



この2ヶ月間、宮城で色々な絶対的悲しみにあいました。
今までになかなか感じ得なかった喜びや悲しみや怒りや、希望や絶望もこの短い間に一気に経験したわけでした。

誤解を恐れずにいえば、作り手として一気にさまざまな強い感情を知り得たわけですから、色々なものを作りたいと思いました。
それと、宮城でやりたいという思いもまだ強くあるので、いずれやるのだと思います。

またこの2ヶ月間のうち、東京では板橋区演劇体験講座の講師として、3ヶ月間かけて50歳以上のシニアたちと演劇を作りました。



「喜怒哀楽」を可視化・具現化したロミオとジュリエットという物語を、発表会でやりました。


これは震災前にウィルチンソンで作った話でしたが、震災後に読むと、偶然とは言い切れないような、切なくなったり希望が少し湧いたりするような台詞もありました。未経験でシニアの方々が演劇をやって、笑顔になって、若々しくなっていくところを見て、「演劇」の力もここでは再確認しました。


ウィルチンソンは7月にも公演を行う予定でしたが、7月の本公演はやらないことにしました。
今の状況では、まともに作れないと判断したためです。しかし9月の劇団劇場、10月の本公演などはやる予定なので、ご期待ください。

そして、5月11日から15日まで、本公演をやります。『TRUST/UNTRUST』という物語で、太宰治という人の、
『走れメロス』と『人間失格』という物語をDJで言うところのサンプリングやらミックスやらフィーチャリングなんかをして、
太宰で遊ぶことにしました。これまでにないくらいトリッキーなことをしていて、演劇の醍醐味をぶち壊してしまうような挑戦的な演出をしました。世の中には正解はなくて、僕らが正解だと思ったものがこれだからです。


しかしなんと、上に書いたように今はあまり宣伝する気がないので、あまり宣伝してません。
観てくれる人がいたら観に来ていただければ嬉しいです。

実は震災前から書き始めていた物語でしたので、震災後、価値観が変わって伝えたいものが変わってしまったり、伝えたいものなどなくなりそうになってしまったりして、続きを書くのが出来なくもなりました。要するにつまらなくなってしまったのです。

その時に面白いと思っていたのは、被災者の人たちを笑わせる話だけだったからです。


しかし、とても愛せる役者11人と信頼できるスタッフさんたちに支えられ、ただいま鋭意稽古中です。この物語はこの物語で、しっかりと完結させたいと思います。



「信じる」と「信じない」をめちゃくちゃに織り交ぜて、「信」や「愛」を浮き彫りにしてみようと思ったトリッキーな作品です。

そして、今月17日~22日はバナナ学園純情乙女組さんで、また映像を担当させていただいております。僕は映像が好きですので、価値観が変わった後に作り始めたこの映像には、色々なものを正直に詰めました。いや、正確には詰めていません。思うがままに暴れさせていただきました。こちらの公演もかないすごいことになっているようなので、是非体験してみてね。ちなみに6月のバナナ学園さんの芸劇eyesのイベントにも映像で参戦します。


秋にあるフェスティバルトーキョーもバナナさんは審査に合格したようですので、映像で参戦します。



要するに、今年はウィルチンとバナナづくしになりそうです。



「劇団劇場」も色々と決まってきて、今回からめちゃめちゃパワーアップ&面白いことになりそうな団体さんばかりなので、お楽しみに。


長くなったので、これで終えます。とりあえず、元気に生きています。
落ち着いたらみんなで石巻にまた行きます。そして石巻でもなんかやります。



以前石巻でイベントやった時に、エアボネタやったっけなあ。
『ここにしか咲かない花』を歌ったフリをしたんだ。



「何もないところだけど、ここにしか咲かない花がある」


何もないところが津波によってさらに何もなくなったけど、
そこには大事なものばかりが日常よりも見えやすい形で現れました。


人の思いやりや愛や感謝や、絶望や希望や、泣き顔や笑顔でした。



宮城のみんな、東北のみんな、5月終わるまではちょっと忙しくて立ち止まれないけど、
落ち着いたらまた行くよ~。そして、いずれはそっちで何かやるからなー。


ではでは、いったんこれにて失礼します。
5月の公演と、バナナ映像、頑張ってきます。


2ヶ月分書いたらすっかり長くなっちゃったな。