HILLのブログ -127ページ目

宝くじ(55)

?.現実に戻って その4

怜子の容態が急変した理由は、お産による、血圧の急上昇により、元々脳内にあった血腫が破裂したことによる、脳静脈溜破裂だったとのことだ。
 最初に入った産婦人科の判断がもう少し遅かったら、母子共にどうなったか分らなかったとのことで、俺は二人の無事を聞いてほっと胸を撫で下ろした。
 電話を切った俺は、真っ直ぐに怜子の運ばれた病院へと向かった。
 タクシーの中で、携帯の表示部を眺めた。
 俺に連絡の取れない真奈が何度も何度も留守電やらメールやらを残している。
 『もう、きっと真奈にはとことん嫌われちゃっただろうな・・・。
 何しろ、何も言わずに帰っちゃったんだから。』
 心がかなり痛んだが、今は真奈のことより、本妻である怜子と産まれてきたばかりの俺の息子のことが第一だと思った。
 病院に到着した。
 赤ん坊にも早く会いたかったが、まずは怜子の病室に向かった。
 病室の前には、
『関係者以外面会謝絶』
 と、ダンボール紙にマジックで大きく書かれた札が下がっている。
 病室の前の長椅子に座っていた、怜子の母、恵子が俺の姿を見つけて、駆け寄ってきた。
(つづく)

宝くじ(54)

?.現実に戻って その3

越後湯沢駅から新幹線に乗った頃、胸ポケットの携帯が鳴った。
 真奈からだ。
 緊急事態だったので、真奈のことを放って来てしまった。
 今、電話に出たとしても、気持ちが動揺していて、真奈を納得させるだけの言い訳を考えることが出来ない。
それから何度も鳴り響く、携帯の電源を切った。
「真奈、ごめんな・・・。」
 俺はそう呟いた。

 俺は痛む足を引きずりながら、東海道新幹線に乗り換えて、小倉へとさらに向かった。
 今もまだ手術室で苦しんでいるかも知れない、怜子のことが心配でたまらなかった。
 その日の夜10時過ぎに、小倉駅に着いた。
 怜子の母親から知らせを聞いてから、もう8時間経過している。
 携帯の電源を入れてから、また病院に連絡を取った。
 恵子から聞いたところ、子供は帝王切開で元気な男の子が産まれたが、怜子は緊急手術により、死の一歩手前で一命を取り留めたとのことだった。
 手術を終えた怜子は現在、集中治療室で眠っているとのことだ。
(つづく)

報告

9月に某出版社に応募していた「天国からの宅配便」の審査結果が『クロネコヤマトの宅急便のメール便(どうでもいい)』で、今日届きました。
審査結果は残念ながら落選でしたが、「最終審査候補に選ばれましたので、出版化推薦作に認定します。」とか書いてある認定証も入ってました。
落ちたことに変わりないですし、お金もないので本は出しませんが、「最初に応募した作品より、多少はレベルアップしたのかなぁ?」くらいに思ってもいいのかなぁと感じています。
これからも皆さんからの応援を糧にもっと面白い作品を書いていきたいと思います。
いつもご覧頂いている方には感謝しております。
ありがとうございます。
そして、これからも宜しくお願いします。