名無しのリスの話(29) | HILLのブログ

名無しのリスの話(29)

「あー!!」
パパの大きな声が辺りに響きました。
パパはバランスを崩して、後ろに引っ繰り返ってしまいまったのです。
「大変だ!
パパ、大丈夫ですか?!」
メープルは慌てて、パパの傍に駆け寄りました。
「あいたたた…!!
頭を強く打ってしまったみたいだが、ご心配には及びません。」
パパは強く地面に頭を打ち付けましたが、そう言いながら、
すぐに頭を左右に振りながら、体を起こしました。
その次の瞬間、バパがまた、
「あっ!!
メ、メープルさん!!
あれは…。」
と、少し先の方を指差しながら、驚きの声を上げました。
パパの視線の先に、たくさんの種を付けた、千年桔梗一輪、
重い首を傾げて、立っていたのです。
「パパ、すごい発見ですよ!
ついに千年桔梗の種が見つけましたね!!」
メープルは興奮を隠せない様子で言いました。
「やったぞ!!
これで、キャンディを助けられるかも知れないぞ!」
パパは余りの嬉しさに、思わずメープルに抱きついて、
しばらく、お互いの喜びを分かち合いました。
それから、二匹の口いっぱいに千年桔梗の種を頬張ると、
キャンディの待つ、イースト・チェリー・ブロッサムの森を目指しました。
(つづく)