ゴツゴツした大きな岩を登りきって、とうとう頂上に辿りつきました。
昨日降った、新雪が薄く雪化粧で、だだっ広い草原の一面を覆っていました。
「この中から、千年桔梗を捜し出すのは無理なんじゃぁないでしょうか?」
パパは言いました。
「そうですね。
でも、ここまで来たのですから、根気よく捜し出すしかないでしょう。
陽当たりの良く、雪が溶け始めた場所から探していきましょう。」
メープルは緑色の草が、顔を出している所を目指して、走り出しました。
パパもすぐに、メープルの後を追い掛けました。
二匹は少しづつ、雪を掻き分けながら、わずかな地表が見える場所まで進みました。
「千年桔梗の葉っぱは、形は普通の桔梗と同じです。
でも、もっと濃い緑色をしています。」
メープルはパパに、千年桔梗の特徴を教えてから、二手に別れて、
雪を掻き分けながら探しました。
でも、いくら探しても見つかりません。
春の暖かな陽射しが、少しづつ草原の雪を溶かしていきます。
雪化粧の白い部分が、緑に変わった所に、二匹は移りながら、必死に探し続けました。
お陽さまが空のてっぺんに差し掛かった頃には、雪はほとんど溶けて、
広い草原が二匹の周りに顔を出しました。
(つづく)