「この学校にしようと思うんだけど、どうかな?」
少し気持ちも落ち着き、ゆっくり考える時間も取れたのか彼女の表情はゆったりとしていて、すっきりしたように見えた。
新年度を迎えて、半年がたった10月。
普通だったら、夏休みも明けて1か月が経ち、新生活にも慣れてきているこの時期に、彼女はまた新たな挑戦をしなければいけない。
6月の終わりごろに相談があると言って連絡をしてきたAちゃん。
高校生なら思いっきり楽しみたい文化祭。
その取り決め役になっていて、クラスで企画を作って、その企画を実行委員会にあげては、それが通らず、苦労しながらもやっとのことで通った企画。
企画が通ったことをクラスに報告すると、「もうそんなのやんなくてよくない?」とクラス全体が別の企画に移行する雰囲気になってきた。
ただ上との兼ね合いもあるし、何度も企画を上げてきたのは自分だから「いやいや、ちょっとまってよ」と当然彼女はなります。
そういうことを繰り返す中で、クラスの中で居場所がなくなっていって、学校に行けなくなり。。。
あくまで彼女(一方)から聞いたことなので、もう一方の意見や見解は何も聞けていません。
どんなやり取りがあったかは分からないけれど、まあ教え子のことですから、どうしても肩を持って考えちゃいます。
間接的に別のところから聞いたのですが、
「なんかうだうだ言って、めんどくさいこと言って、すごいウザイ奴がいたんだけど、なんか学校来なくなったから、ひと先ず良いかなって」
その言葉を聞いて、僕としては怒りというかなんというか・・・
学校生活ってその人の価値観を作る大切な場所ですよね。
上手くいったことも、そうでないことも、それを自信や反省に変えてその後の人生に活かしていく基準作りを高校生活ではするのです。
勉強だって、部活だって、友人関係だって、クラスのことだって、恋愛のことだって。
何だって一種の基準を創造できる場所なんですよ。
そこで、高校生にもなった人間が、それだけ残酷になれる、そんな言葉が発せる、なんかちょっと怖いなって。
偏差値によって差別するつもりはないですが、この子が通っていた学校は学年のほとんどが大学に進学する、いわゆる共学の進学校。
毎年の中3の進路希望にも何人も志望校に選んでくる学校です。
ウィルの講師にもその高校出身者が何名もいるんですが、一様に「そんな奴いるか?」とかなりショックな様子でした。
ただその子の保護者の方も、その高校出身の講師も共通して言っていたのは、
「先生たちは何もしてくれない。」
そんな言葉でした。
高校ですから、そんな大して何もしてくれないんのは普通なんですよ。
逆に言えば親は大して学校に期待なんかしちゃいけない。求めすぎちゃいけない。
でもその中でも当たり外れは、あるのだと思います。
実際、「ちょっとまずいんじゃないかな?」を察知するのが大人の仕事なわけですから、察知もなければ対応もない。そうなると本人は相当きついですよね。
お母様も「このまま、あの先生に任せておく位ならって思って、学校を変えることを踏み切れました。」とおっしゃっていました。
夏の間しばらく学校と離れすっきりとして、冒頭のように言ってやってきたのが、夏休みの終わりころ。
実は彼女がこうやってすっきり来た時、隣りにもう一人女の子がいました。
教室に入ってくるなり、「初めまして!○○と申します。」元気に挨拶をしてくれました。
彼女はなんと東所沢教室の19期卒塾生。
塾長のブログにも出てきましたが、ウィル初年度生のお子さん。
僕も名簿と話では名前を何度も見聞きしていたのですが、このタイミングで会えるとは。
高校に入ってそこで知り合い、気持ちの落ち込む彼女の支えになってきてくれたのが、その女の子だったのです。
ひとしきり話をして、いつも通りダラダラして(笑)帰る間際、僕が彼女に、
「学校辞めた後も、申し訳ないけど、○○ちゃんのことよろしくね。」というと、
「当然です!任せておいてください!」
気持ちの良い返答に少し目頭が熱くなりました。
つらい経験の中に、そんな一筋の光?いや聖母マリア的な光に巡り合えたのは、Aちゃんにとってものすごく大きな財産です。
ちゃんと大事にしてほしいな。
あとAちゃん。
講師含めみんな応援してるから、報告やら相談やらいつでもいらっしゃい。
待ってるからね。
では~![]()