午前十時の映画祭にて、4Kレストア版。
やはり画像は素晴らしく美しい。白黒の陰影がくっきり。
面白さはもはや言うまでもなく、冒頭の、如何にも黒澤らしい「過剰に」迫力のある、望遠で捉えたモブシーン(群衆シーン)に度肝を抜かれ、どうやって追われる姫を守りながら敵中を突破して行くか、ハラハラしている内にあっという間にクライマックスへと流れ込む。中弛み一切なく、刈り込まれた脚本が素晴らしい。
この脚本、黒澤と、小国英雄、菊島隆三、橋本忍の四人が合宿し、2チームに分かれて、片方に主人公たちを襲うピンチを考えさせ、もう片方にそれをどう切り抜けるかのアイデアを考えさせたのは有名な話。こうして練りに練られた脚本に、油が乗り切った黒澤の豪快な演出で、面白くならないわけがない。
スターウォーズがこの映画を下敷きにしているのは、ジョージ・ルーカスも認めているが、まさにいろいろな映画に影響を与え続けていることが、今回再見して改めてよく分かった。やはり黒澤、恐るべし、である。