お昼休憩の終わり頃、 賑やかに立ち話をしている同僚の横で、
ちょっと軽く化粧でも直すかなと、
パウダーパフを取り出して顔にぽんぽんとはたきはじめた。

すると、それをみていた直属の上司(女)が、からかいぎみに声をかける

「こら、そこで白粉なんてはたいてるんじゃなーい!」

そう言われてだまっちゃいられない。わたしも、すかさず言い返した

「いややわぁ おかあはん。白粉は舞妓のたしなみどっせぇ」
(この上司、見た目、おきやの女将風である)

「ば、ばかいってんじゃないよ。おまへは、芸者だろっ」 
(注:もちろん芸者じゃない)

「誰がなんと言おうと、うちは死ぬまで舞妓どすっ」

このやりとりをあっけにとられ、固まっている他の同僚たち。(・_・)

それ以来、おきやの女将と、ほんとはうしろで三味線ひいてる年なのに、
生涯まいこを貫き通すつもりの舞妓 という設定のコントが
最近のわたしたちのマイブームである。

「ほら、お座敷いくえ、はよしいや」とか 「芸は売っても、身体はうらん」など、
1日に1回は短いコントを繰り広げるのだが、
なにしろ京都殺人案内とか、
山村紅葉シリーズ霊柩車の女 とか、
2時間ドラマで聞きかじった京言葉しかしらないので、
会話がほとんど続かないのがタマニキズ。

いいかげん、誰かとめろよ と思うんだけど、誰もとめようとしない。
ゆえに妄想はふくらむばかり。

そのうちにね、殺人事件がおきるのだよ。
なにしろ、始業15分以内に事件がおきないと、
お客さんは違うチャンネルにしちゃうからね。

そしたら、私は舞妓デカとなって、事件解決に向けて暗躍する。

え?舞妓でも刑事でもないだろって?
まぁいいじゃないですか。最近いそがしいんだもの。

 






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