始原、政治というものは貴族や王侯の道楽趣味的なものであったし、彼らの闘争、戦争、外交、経済政は貴族的精神の高貴な趣味によりなされたものであった。時代につれて貴族は政治の権利を民衆に譲り、狩猟は農牧によってその意義を徐々に失っていったし、商売も商人に任せずとも一般人がこなすようになった。近い将来、売り買いもしなくてよい社会系統が出来てくるかもしれないし、その結果、感覚な贅澤なつもりで売買行われるようになるかもしれない。その時初めてそういう趣味が高貴性を帯びてくるし、通俗化からほど遠いものになるだろう。貴族がその政治を放棄した時、道義的なものに成り下がり、間違いなく政治は卑属なもの、党派的な思想、教養の俗物に成り下がったのであり、私はこれら現代の政治を「精神の淫売」とみなしている。