諸君らは何故、我等のひきづる尾を見ようとしないのか? 君たちは最もらしいことを言って、鵞鳥の頭をひきづる
というのか?諸君らは何故、我等が何者であるのか知ろうとはしないのか? 諸君らは何故、唾まみれになりながら
唾を掛けあって今にも溶けだそうとするのか? 我等が始まりや終わりではないのだ。進軍するには、多くの兵士を
引き連れながら、後ろも前も厳重に見渡す統率を必要とせねばならないのでありませんか?歴史は我等の生を覆い隠
す権力への意志であり、人物伝は人間の理想とする魂のより所であり、神話は啓蒙の記念碑であり、芸術は世界への
反攻であり、詩歌は人の過ち、ニヒリズムへの警鐘。我々はその綜合の解釈を、一つの真理を、我々の感覚へと誘惑
しなければいつまでも過ちを繰り返す。時に思考や信念は脳を動かすために、身なりを欺くことも人間は難なくやっ
てのける。 その時、自己は脱魂忘我する・・。 幾多の存在が現存在の体へと流れる、超時代的感覚。静止する時間と世界。彼らの怒りや悲しみや喜びや苦痛が自己の体を使って代弁しようと欲する。故に歴史は多くの呪いをもその中に含んでいる・・。時にアジア的な陶醉は文明にとっては大変危険なのだ。日本とて例外では決して無い。最後にその呪詛や意志に打ち勝つのは健康的で力強き不屈の支配者、国家超越的な徳、党派的思想の破壊者、神性や獣性も用意に手なづける明晰的な味覚者のみであり、自己の中の意志にすら勝利を治め、黎明の世界に怒号の勝ち鬨を上げる。もはやここに於いて美徳や良心や罪の概念が何の事があろう!その焔は全てを熱し、ガイストを澄み切った水辺から解き放ち、神々の死骸から腐臭すら漂わせる。その時、名状しがたきそれにより審判者すらも裁かれるであろう。各国の宗教は陳腐な説教になり、主義思想は寝言に成り下がる。再び、この星には沈黙が訪れる・・。その曙光は形となって体現されるだろう。多くの美しき造形は高い有用性を持つ。さあ諸君、重力に従いつつ、逆らい給え!