脳手術 病院でレントゲン写真を見せられると、脳が所々黒い染みのように腐りかけている。 ああこれは大変だと他人事のようにぼんやり考えていると、 長い長い長い針を耳から突き刺して脳の悪い箇所を吸い出していく事になった。 キュルキュルとした機械音が頭蓋の中に響き渡り、ああこれで嫌な思い出も吸い出されるのだなと エタノール臭漂う病室を見渡すと、ステンレスのカートの上に切断された四肢が載っている。切断面はつるりとして滑らかだ。 外に出ると強い日差しに照らされたアスファルトが黒く濡れていた。
家 実家に帰省したときの話。 深夜。 うだるような熱帯夜に寝付かれずにいると、 誰もいないはずの居間のほうから何やらヒソヒソと話声がする。 誰だろう? すると話声は、まるで申し合わせたかのようにピタリと止む。 気付かれた? 居間の方へ目をやると、白い服に長い黒髪の女が、 まるで怪談映画さながらに四つん這いでこちらへ向かって来る。 怖!!!!!!!!!!!!!!!!! 女がこちらを覗きこむのと同時に目を瞑ると キイィィィィィィィィィィイイイイイイイイイイン という金属音と共に意識は遠のき 五感は失われ まるで深海をたゆとうように みんな幸せに 暮しましたとさ・・・