更衣室のロッカーを開けると、他人の私物が入っていた。
誰かがロッカーを間違えて入れてしまったのだろうと思いながら
着替えようとすると、そこに自分の私物など入っていなかった。
ロッカーを間違えたのは私の方だったのだ。
気恥ずかしさを感じながら扉を閉じて、
自分の名札の入ったロッカーを開けるが、そこに入っているのも他人の私物。
二度もロッカーを間違えるなんてどういう事だろう?
確認したはずの名札をを見ると、そこに書かれているのは他人の名前。
今度こそはと自分の名前を確認してロッカーを開けるが、
やはり入っているのは他人の私物で名札に書かれているのも他人の名前。
私のロッカーはどこに行ってしまったのだ?
いや、そもそも私に名前などあったのだろうか?
ふと、扉の内側に取りつけられた鏡を覗いて安堵する。
なんだ、私には顔が無かった。

