「街とその不確かな壁」と「直子の微笑」 | wildsheep & Yonah NieR

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wildsheepとヨナのブログ

ご無沙汰しています。

wildsheepです。

 

数年前までは、ライブに参戦したり

自分で音楽を作ったりと音楽活動を

積極的に行っていて、このブログには

活動報告を兼ねて多くの記事を

アップしていたのですが・・

 

新型コロナウイルス感染症によって

コンサートやライブが開催されなくなり

生活も含めて

「スタイル」がすっかり変わってしまい

そのような流れの中で

いつの間にかブログを書くことも

なくなってしまいました。

 

そもそもブログを書いている人自体が

今は少なくなったので、

ブログを書くことはやや時代遅れになってきている

のかもしれませんが・・

 

今回は、時間を少し戻して

コロナ前の気分に戻って

記事をアップしてみたいと思います。

 

ブログのエディタは当時のものから

色々な機能が追加されて新しくなって

いますが、使い方もわからないので

従来通りの「文字+写真」の「スタイル」

でいきたいと思います。

 

相変わらず、前置きが長い・・

 

今回のテーマは音楽ではなくて「小説」です。

 

1か月くらい前

いつもよりも少し遠くの店でランチを食べて

その帰りに、本屋さんの前を通ったら

このポスターが張ってありました。

 

 

正直「ものすごく」動揺しました。

衝撃を受けました。

思わず本屋の前で「わぁっ!」って

言っちゃいました。

 

ニュースにもなっていましたが

村上春樹の新しい小説です。

新作は6年ぶりとのことです。

なんで「わぁっ!」となったのか

について以下で説明していきます。

 

村上春樹は初期の頃の作品が好きで

最近のものでは『1Q84』あたりまでしか

読んでいませんでした。

 

ですので、新作が出ると報道されても

買う予定はなく「ふう~ん」というくらいの

感じで受け止めていました。

最初の報道のときは小説の

タイトルは発表されていませんでした。

 

今回の『街とその不確かな壁』という新作は

 

『街と、その不確かな壁』 村上春樹著 

文藝春秋 『文學界』1980年9月号所収 34巻9号

 

がもとになっています。

 

ややこしいのですが

タイトルに「、」が入っている

 

『街と、その不確かな壁』

 

の方が1980年版で、

 

タイトルに「、」が入っていない

 

『街とその不確かな壁』

 

の方が2023年版の新作です。

 

そして古い方の

『街と、その不確かな壁』は

『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』

という小説の「もと」にもなっています。

 

自分は、ほとんど本を読まない人なのですが

なぜか村上春樹の小説だけは読んでいました。

 

音楽のバンド関係での知り合い

ベースギターを弾く「K 」さんから

「村上春樹 おすすめだよ」

って勧められたのがきっかけでした。

 

最初に読んだのは

『風の歌を聴け』です。

 

この小説の聖地巡礼で

神戸に行った時の話をこのブログに

アップしているかもしれません。

(記憶があいまい)

 

そんな感じで、当時は村上春樹を読んでいたのですが

その中でも

『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』

という長編が好きでした。

この小説は

『世界の終わり』と『ハードボイルドワンダーランド』

という2つの話が同時進行していく話です。

 

特に片方の

『世界の終わり』のパートに出てくる

「一角獣」「図書館」「発電所」「手風琴」

の話がすごく好きでした。

 

どうしてそのようなことを思ったのか謎なのですが

天からの啓示を受けるかのように

2023年2月のある日

久しぶりに本を読んでみよう

と思ったのです。本当に不思議です。

そして、何らかのきっかけがないにもかかわらず

数年ぶりに

『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』

をふたたび読んでみたいと思ったのでした。

 

正確には「読む」というのは嘘で

「大森南朋さんの朗読を聞きながら

 ときどき小説の文字を追って」

ということになります。

 

詳しいことを知りたい方はAudibleのHPを確認して

みてください。大森南朋さんが朗読している

『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』

が掲載されていると思います。

 

そんな大好きな小説の「朗読」を聞きながら、

寝落ちするというのが3月初旬のルーティンに

なっていたのです。

朗読を聞き終えたのは3月の中旬でした。

 

その直後、自分は

本屋の前であのポスターに出会うわけです。

 

本当に驚きました。

 

だって本を読む(朗読を聞く)こと自体

全然おこなっていませんでしたし

その中で選んだ1冊が『世界の終わり・・』で

それに関係する新作が出る

ということなのですから。

 

その後、新作発売のわくわく感をおさえきれずに

2つのことをしました。

 

1つ目は早稲田大学に行くこと。

 

2つ目は地図を壁に貼ること。

 

です。

 

早稲田大学には

The Waseda International House of Literature 

というものがあります。

国際文学館で「村上春樹ライブラリー」と

呼ばれています。

 

4月初旬に行ってきました。

もちろん

『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』

の資料も

『風の歌を聴け』

の資料も展示されていました。

入口と館内はこんな感じです。

自分は予約していきました。

 

2つ目は地図です。『世界の終り』の地図。

もちろん「図書館」や「発電所」も書いてあります。

これを自分の部屋の壁に貼りました。壁・・・。

 

このような準備をして

新作

『街とその不確かな壁』

の発売日 4月13日を迎えました。

 

自分は「本」と「kindle」の両方を注文していたので

発売日の早朝から「kindle」で読むことができました。

「本」は10時くらいに届きました。

 

まだ読んでいる方やこれから読もうと思っている方が

いると思うのでネタバレはしませんが以下では

読後の感想を。

 

正直、自分が思っていた話とは大きく違っていました。

自分は『世界の終り』や『街と、その不確かな壁(1980年)』

の閉鎖的なワールド(のみ)を想像していたのですが

今回の新作にはそれとは異なるワールド(場所・登場人物)も

でてきました。

抽象的な表現を使うと

 

「拡張された世界の終り」

 

と言えるかもしれません。

 

村上春樹の小説で例えると

 

 『世界の終わり』

+『海辺のカフカ(図書館)』

+『踊る小人』

+ ???

ー ???

---------------------------------------

=『街とその不確かな壁』

 

という感じかもしれません。

 

自分は『海辺のカフカ』も『踊る小人』も

好きなので、今回の

『街とその不確かな壁』

も好きな小説としてランク入りすることに

なりました。

 

でも残念ながら

『街とその不確かな壁』は

1位や2位にはなりませんでした。

本屋の前で「わぁっ!」となるくらい

期待はすごく大きかったのですが・・・

 

結果、自分の村上春樹小説ランキングは

 

1位:『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』

   (このうち「世界の終わり」のパート)

 

2位:『風の歌を聴け』

 

と従来からと同じものとなりました。

 

そういえば『踊る小人』が収録されている

短編集『螢・納屋を焼く・その他の短編』

もAudibleに入っていました。

 

『螢』も『納屋を焼く』も『踊る小人』も

いいですよね。

 

これらは松山ケンイチさんが朗読しています。

 

松山ケンイチさんといえば

映画「ノルウェイの森」の「僕」ですね。

 

今宵は『踊る小人』の朗読を聞こうかな・・・

 

今回の新作をきっかけに

また村上春樹ワールド

で楽しめそうなので、すごく嬉しいです!

 

ちなみにドイツ語に翻訳された

小説『ノルウェイの森』のタイトルは

 

Naokos Lächeln

 

と言います。 

 

日本語にすると「直子の微笑」です。

 

映画『ノルウェイの森』も

 

また見てみたいです。

 

長くなりましたが本日はここまで。

 

ではでは。