酒場の老主人は、流暢な日本語で話し始めた。
このバオバブの木の中の酒場の様に、古いバオバブには大きな空洞が出来る事があるんだ。
昔はその中に、敵対する部族の捕虜を閉じ込めたんだ。そう、自然の牢屋さ。
ある時、酷い伝染病で村人が全滅した時、たまたま捕虜になってバオバブの牢に入れられていた男は、なぜか病にはかからなかったものの、そのまま死を待つだけとなった。
ところが村人がいないために、牢の格子の向こうに垂れ下がっているバオバブの実を食べる事が出来たんだ。
又、空洞の内側に僅かに染み出る樹液をすすり、生き永らえたそうだ。
時が経ち、入り口の格子が朽ちて外に出られる様になっても、男はそのバオバブから離れず、そこで暮らし続けた。
バオバブの実と樹液、空洞の中のパワーや空気が、男を不老不死にしたらしいよ。
長生きした男は多くの知識を得て、色々な国の言葉も話せる様になったという話だ。
もちろん日本語もね。
不老不死の男は、酒場の老主人だとはしゃぐ日本人の観光客が帰った後、奥から出てきた、彼の若くて美しい妻がこう言った。
「あなたの日本語が上手なのは、日本から来た私に一目ぼれして結婚したからでしょ。80歳を超えても妙に肌艶がいいのも、私の作る日本料理を食べているからだし。不老不死などそう簡単に有る筈がないの、私の様に人魚の肉を食べない限りは・・・。」
-END-
【楽屋話】
バオバブの木の中の酒場は実在します。
やっぱ私、ショートストーリー
大好きです。
いくら何でも
前回のフォローフィードの写真が
曲尺と針金では
情けないので
いきなり完成の写真です。
前回の続き~
①、着色しま~す。
木はアクリル絵の具、台はダイソーのスモーキーブルーで塗ります。
紙粘土は溶けるので一度でぱっと塗って下さい。
私は塗装の際に、必ず配色カード(色見本カード)を使用します。
イメージに近い色をカードから探し、その色になるように絵の具を混ぜます。
モスキー絵の具
色見本カード
②、台にやすりをかけ、風合いを出します。
木の根元に、デコパージュ用の接着剤を塗り、砂をまきます。
砂は茶こし等でふるい、細かく均一にして下さい。
③、質感を出します。
アクリル絵の具ですごく薄いこげ茶を作り、それを幹の横方向に線を引くよう筆塗りします。(色がつくかつかないか位の濃度)
乾いたら、こげ茶の色を僅かに明るくして、もう一度だけ同じ事をやります。
④、木の根元に草を植えます。
今回使用したのは、セリアのナチュラルモスマットグリーンをちぎって接着しました。
絵の具が未乾燥で、光っていますが乾けば艶消しになります。
この状態で完成でも、枝ぶりが楽しめてOKだと思います。
春になったら丸めたピンクの羊毛フェルトなんか乗せると、桜の大木に見えます。
⑤、葉を付ける(今回は少し専門的です)。
葉はジオラマ用の専用スポンジを枝先に接着します、これだけが唯一専門材料です。
そのスポンジの上に、自作の魔法の粉(今度説明します)をまぶします。
その後、水で薄めたデコパージュ用接着剤を霧吹きでかけて、魔法の粉を接着させます。
魔法の粉
以上で完成~!!
魔法の粉が効いています
全ての枝にスポンジを乗せない方が、リアルです
太陽光下でも色の確認を。
以下は
撮影次第で
作品の表情も変わる
説明です。
夕日・朝日
(懐中電灯で照らす)
広大さを表現
(空をバックにやや下から、余白を多めに)
荘厳な感じ
(カメラのレンズの一部にハンドクリームを塗って逆光でアップ)
如何です??
机上にミニ大木があると
癒されますよ。
今回も最後までお付き合い頂きまして
ありがとうございます。