定価2500円。
・表紙裏
狙われた木暮課長の木暮、ギャングになった刑事の大門、それぞれの背景は仙台爆破計画-宮城後編-のバス爆破の炎。パニック 博多どんたくのRS軍団(肖像権の関係で車内墨塗り補正)のスチールで構成。
・裏表紙
マシンX以外は石原プロワールド発売の写真集用に撮り下ろしされたショットをトリミング。この時点ではマシンXはすでに処分され現存しないというのが定説だったので、放映当時の御殿場で撮影された特写スチールが使用されました。
石原裕次郎さん13回忌法要の特別企画により、全国的に約10年ぶりに再放送された西部警察は従来のファンに加えて、新規のファンを獲得。スーパーマシンが脚光を浴びました。

ではそのスーパーマシンはそれまでどうしていたのでしょうか。

まず1995年、「とんねるずの生でダラダラ生かして」の中のカート対決の企画がありました。それに勝った舘ひろしさんと近藤真彦さんチームは罰ゲームで西部警察のスーパーマシンを敗者であるとんねるずの石橋貴明さんと定岡正二さんに洗車させました。キレイに保管されたマシンたちがブラウン管に登場して私は一気にテンションが上がりました。それもそのはず。石原プロモーションの車輛部の宇角さんが手入れをして動態保存していたのです。しかしこの時はすでに西部警察が古き良きドラマというカテゴリに入れられており、最後の地上波再放送は1988年でしたから、このバラエティ番組の視聴者世代にとっては知らないドラマ。そのため特に話題にはなりませんでした。

その2年後。中古車購入マガジンのホリデーオートBG誌が舘ひろしさんのインタビューを企画した際に西部警察のマシンが倉庫に眠っていることを聞きつけ、取材したのは1997年。まだレストア前のマシンたちが誌上にお披露目されました。ほどなくしてレストアされたモデルが陽の目を浴びるのが北海道にオープンした石原プロワールドでの展示です。
すでに1999年の再放送により西部警察は注目されており、連日の超満員になりました。

しかし、アオシマを除けばすでに版権を保有していたヨネザワは無くなっており、またトミカサイズのミニカーはヨネザワが出していたプルパックカーだけでした。

そこでタカラトミーはコミックトミカ の企画として西部警察をラインナップし発売。既存金型にパーツ追加とタンポ印刷で無理矢理感は否めませんが定価2500円でガゼール、マシンX、スーパーZ、RS-1.2.3を再現。私は飛び上がって喜びましたw
この製品は好セールスのため三度の増産。その間にトミカリミテッドシリーズか発売されたことでゴム製タイヤを履くために車高高になったため2度目の再販からはRS3台がその影響を受けてます。3度目再販時にはあわせてホイールパーツまでも変更となりました。そのためバリエーションと呼ばれ、それらをコンプリートするために定価で購入したセットは10個。現在は初回ロットの展示用とは別に初回、再販1、再販2だけを残しました。

・再販1
ホイールそのまま、車高高のスカイラインRS-1.2.3。

・再販2
ホイールが変わって車高高のスカイラインRS-1.2.3とホイールが変わったマシンX。

初版で中身を見てみましょう。当時のレギュラートミカと比較してみます。

まずセットのベースになっているレギュラートミカのシルビアはSILVIAのサイドラインが邪魔します。無論ボンネットは無地でしたね。

マシンXのベースになったレギュラートミカのジャパンはサンルーフがありました…。それ以外は比較的近いものの、当時はパトランプパーツはありませんからイメージは異なりました。

スーパーZのベース車。レギュラートミカは青か黄色しかありませんでした。催涙弾発射装置などは当然ありませんからイメージとは異なりますね。

RS-TURBOはこのスーパーギフト版が1番忠実でしたがサンルーフがあったのでRS-1にとっては邪魔。そもそもスーパーギフト版はそんなに流通ないので2台も用意出来ませんね。

レギュラー版最終バリエーションでスカイラインRSがようやく発売されました。

そんなわけでレギュラートミカでは再現不可だったのでこの西部警察セットが売れたわけですね。

そして西部警察トミカとして無視できないのがトミカくじVと特注トミカです。

・トミカくじV

セドリック330
大都会PARTIIIのデカ長・黒岩から西部警察の大門へと引き継がれたのがこのセドリック。まさかの黒塗り仕様がラインナップ。西部警察セットと呼んでも過言ではないトミカくじでした。

セドリック430
黒塗りモデルがトミカスーパーギフト以来の復活!大都会PARTIIIと西部警察を見分ける一つがこのセドリック。430型は西部警察から投入された新車です。大門の330、もしくはマシンX。そして刑事たちの430が2台というフォーメーションが多かったです。

セドリック430覆面パトカー
そして何とパトランプ装着モデルまでもがラインナップ。この3台のために箱買いした人もいるのではと思います。このトミカくじVは他にもスカイラインケンメリレーシングや黒塗り&警視庁パトカーのMS60くじらクラウン、黒塗りM70クラウンまでラインナップされ、刑事ドラマをイメージしたような秀作でした。

・ジール特注トミカ 

セドリック330覆面パトカー
パトランプ装着の黒岩or大門カーが発売。長年、レギュラーの330をペイントするしか再現できなかった怨念を晴らすかのようなモデル。

セドリック330パトカー 銀ホイール
そしてパトカーも登場。レギュラートミカでは330のパトカーはグロリア、しかもワゴンでしたから待ちに待ったモデルです。

セドリック330パトカー 金ホイール
ホイール違いのトミカ。金色はエンケイアルミホイールのイメージですかね。

・イイノ特注トミカ 

セドリック430パトカー ワイドタイヤ
ワイドホイールもまたエンケイアルミホイールを意識した内容のようです。こちらは都道府県警察のタンポ印刷無しのモデル。

セドリック430パトカー バータイプワイドタイヤ
バータイプも登場。ボンネットのヒゲも再現。

セドリック430パトカー バータイプ
そして初期西部警察を彷彿とさせる通常ホイール仕様です。
※手放してしまいましたがショップのオーナーだった飯野さん曰く、「北海道ロケをイメージした」というバータイプパトランプの北海道警ワイドタイヤモデルもありました。

ブルーバード910パトカー
バーパトランプが中国製から登場した丸みのあるタイプで、サンルーフの穴埋めが邪魔し配置が後ろになってしまったのは残念ですが、ファンからすれば許容範囲。PARTII以降、フェアレディZと並びレギュラーの非破壊車両でしたね。

そして最後はカスタムトミカ 。特注が待ちきれずに作った方に拍手です。
大都会PARTIIIで配備されたバーパトランプ型の330セドリックパトカー。

ケンメリパトカー
PARTIII以降の地方ロケ、特に鹿児島編の印象のこのモデルが30周年記念のスカイラインセット2に登場。こちらも西部警察なトミカと言えます。

全部入れての記念撮影wキツキツw

相場としては定価2500円ではもう買えませんね。



現在もシリーズ継続中のトミーテック・トミカリミテッド ヴィンテージ 。実は製作中止になった西部警察2003の放送開始に合わせ、タカラトミーのトミカリミテッドシリーズで頭文字Dのように、これらのマシンたちがモデル化される予定でした。販売告知と試作品公開までされましたが、番組と共にお蔵入りになっています。

次回はアオシマ1/24 スカイラインRSシリーズを紹介します。