定価2500円。1979年11月発売。

西部警察のサウンドトラックは石原裕次郎さんの所属しているテイチクレコードから発売されました。
大都会シリーズでは渡哲也さんが当時所属していたポリドールレコードでした。テイチクレコードになったことで西部警察サウンドトラックの歴史は混迷を極めます。放映期間に発売されたのは何と8枚。しかし収録曲は被り、効果音が入っている、テレビと異なるミックスされた音源…。未だに未音盤化音源が多数あります。
PARTIで言えば『木枯し紋次郎』主演の中村敦夫がシリーズ放送中に負った怪我のため、彼の復帰までのあいだ急遽作られた全4作からなるオムニバス形式の傑作股旅時代劇・笹沢左保「峠」シリーズの劇伴が特に流用されました。こちらの音楽は宇都宮安重さん。西部警察の劇伴担当の方です。鈴木清司さんが選曲していたこともあっての流用です。当然これらは未収録で未音盤化。

放送30周年記念で発売されたテイチクマスターコンプリートのCD大全集は未だに値崩れせずに取引されてます。根強いですね!2009年発売ですから11年前です。

今回ご紹介のLPは放送開始後すぐに発売された最初のサウンドトラック。西部警察の初期、舘ひろしさん演じる巽刑事在籍時に使用された第一回録音からステレオミックスされた音源が収録されています。

収録曲解説。
  1. A1. 西部警察メインテーマ(TVサイズ)
  2. 本編未使用。
  3. 弦楽器が主旋律を奏でる音源で、サントラ用にミックスされたもの。テイチクレコードのサントラでは2006年まで公式音源として発表されていました。このタイトルの曲は発売されたサントラすべてにこの効果音付き音源が収録されています。
  4. また2006年まではこの音源は効果音が入ったものしか発表されず、テレビ使用と同じスピード、サイズ、楽器の純粋な音源はありませんでした。
  5. ※石原プロワールドから発売された総集編ビデオ・西部警察 男たちの伝説(後にDVDでも発売)のオープニングで初めてこの音源の効果音無しが使用されました。

  6. A2. 西部警察メインテーマⅠ(フルサイズ)
  7. 本編未使用。
  8. 弦楽器が主旋律を奏でる音源で、サントラ用にミックスされたサントラ用のフルサイズ。
  9. こちらは根が深く、2006年に管楽器で主旋律が演奏されたTVミックスなる音源が発表されましたが、そもそもフルサイズ版は1度も本編で使用されていません。
  10. エンディングサイズ、予告サイズ、劇中ショートサイズがありますが、いずれもこのフルサイズからの編集ではありません。

  11. まず予告サイズは未音盤化の西部警察メインテーマ65秒版音源のコーダを削って60秒に編集して使用しており、エンディングも同じ音源を40秒に編集して使用しています。演奏がこのフルサイズ音源とは全く別です。
  12. ちなみに65秒版の存在が確認できるのは、この音源がフルで流れる第一シリーズ45話・大激走!スーパーマシンの中盤、軍団初代特殊車両のマシンXが幌を外されメンバーにお披露目されるシーンでした。
  13. また劇中ショートサイズが選曲されたのは第一シリーズ第4話「マシンガン狂詩曲」のクライマックスでの犯人車両追跡シーン、第1シリーズ第22話「少年」の中盤。チンピラを自白させるために道場で叩きのめすシーンで65秒版とは演奏が異なるコーダが短い別バージョンが使用されています。

  14. A3. みんな誰かを愛してる
  15. インストゥルメンタル版。巽刑事殉職編のテーマ、として使用。他では使用されませんでしたが印象深い曲です。

  16. A4. 男たち・愛のテーマ
  17. 大門軍団の最初の敵、装甲車を殲滅した後の木暮課長の描写、第17話・地獄から還った刑事のラスト、大門による兼子刑事への叱咤のシーンなど心温まる場面で使用。

  18. A5. 木暮刑事のテーマ
  19. 本編の使用頻度は意外に少ないこのテーマ。別のバリエーション含めて使用例はあまりありません。第7話・暴走刑事を撃てのクライマックスで前奏、第15話・さらば愛しき女での終盤の敵からの電話のシーンで前奏が、第111話・出動命令 特車サファリの序盤での強奪された金塊輸送車を特機隊が探すシーンで前奏が流れる程度です。
  20. ファンとしては予告用音楽の印象が強く、前述のメインテーマとの併用で、ストーリーによってこの曲のテレビミックス音源の編集版が使用されました。

  21. A6. コンクリート・ジャングル
  22. 第1話での木暮課長が刑事部屋初登場のシーンで流れた印象的なコメディタッチの曲。他には第52話・ギャングになった刑事でコーナーラウンジで酒を飲みまくる二宮課長の描写で使用。この程度で頻度は少ないです。

  23. A7. 追跡のテーマ
  24. 鳩村刑事登場回である第109.110話・西部最前線の攻防(前後編)で、伊豆にある敵のアジトに向かう大門軍団と特機隊の描写、敵が潜伏していた幽霊会社から逃走した犯人一味を追跡する大門軍団がミサイル攻撃を受けるシーンでの使用が印象深いです。他には第2話で装甲車を罠を仕掛けた廃工場まで大門がおびき寄せるシーン(よく見ると傷だらけの覆面車を運転してるのは渡哲也さんではなく影武者の永野明彦さんw)、第16話・最後の一弾で巽刑事がトランシーバーを落としつつ単身で犯人車を追跡するシーンでも選曲されました。

  25. A8. ロマン
  26. 第9話・ヤクザ志願での使用が印象的です。この回のテーマ的に使用されました。また第30話・絶命 炎のハーレーでは松田刑事の回復を祈るシーン、第48話・別離のブランデーグラスのコーナーラウンジでのスリ女への木暮のメッセージのシーンでも使用されました。

  27. B1.西部警察メインテーマⅡ
  28. 本編未使用。

  29. B2.大門刑事のテーマ
  30. 第45話・大激走!スーパーマシンの中盤、大門軍団が夜間パトロールで犯人車のマーキュリー・クーガーを探すシーンで使用された程度で第一シリーズ中期まではこのテーマの他のバリエーションにこの音源のコーダだけ使用する形でした。しかし、第一シリーズ終盤で使用頻度が上がり、PARTI最終話の敵に付けた発信機でアジトを探るマシンXの大門の描写ではほぼフルサイズが流れました。

  31. B3. 明日への希望
  32. 第13話・大門危機一髪、第20話・爆発ゾーンなど大団円で流れる曲です。

  33. B4.出動のテーマ
  34. 重要曲。第一回録音分では西部警察のサブテーマとしてここぞと言う時に流れました。印象的なのは第6話・横浜銃撃戦の笠原組急襲に出発する大門軍団、特に大門が刑事部屋でショットガンをポンプアクションするシーン、第9話・ヤクザ志願で命を狙われている消えたチンピラを探すゲンの描写、第45話・大激走!スーパーマシンのクライマックスにほぼフルサイズが使用されたマシンXとマーキュリー・クーガー、警視庁ヘリの追跡シーンは秀逸です。

  35. B5.兄妹
  36. 第1話の大門と妹・アコの描写、第37話・炎の中で甦れ!での木暮課長の料理シーンで使用。使用頻度は少ないです。

  37. B6.ダイナミック・シチュエイション
  38. アクションシーンで流れていますが使用頻度は追跡のテーマと同じ程度。フェードアウトなので選曲の鈴木清司さん的には使いづらい音源だったのではないかと推測されます。印象的なのは第一シリーズ中盤以降のオープニングタイトルバックのダイブシーンでお馴染みの第26話・友情の捜査線のクライマックスのカーチェイスシーンでのほぼフルサイズ使用です。

カセットテープ版。※資料写真 保有してません。
定価2000円。

迷走はCDによる再発売でも続きます。
何と再発売の際にジャケットを別のサントラ盤と差し替えると言う意味不明な展開に。



西部警察サウンドトラック総集編のジャケット写真、西部警察ハイライト編のジャケット写真のレイアウトそのまま流用されました…。

そしてこちらのLPジャケットでの復刻はと言うと…w
そのままのデザインで総集編に!テレコですwま、CD化したら思った以上に好セールスですべて復刻することになったのでしょうね。

嬉しいニュースは久々にトミカリミテッドヴィンテージの西部警察シリーズがリリース!ついに初代軍団特殊車両・団長の乗るマシンXが1/64スケールで待望の初商品化‼︎待ってました‼︎ようやく発売です。12月に出会えます。まず登場回バージョン。その後は室内パトランプバージョンやシルバーホイールバージョンが発売になるかな。戦士よさらばバージョンもあり得るのがトミーテックかも。

次回はテレビ朝日ゴールデンアルバム 西部警察写真集について書きます。