あの松はまさしくターナーだ!
「負けない力」(橋本治著 大和書房)を読んだ 一言でいえば「ネットや人に頼らずに自分で考えるようにしよう!」ということが書かれている ありがちな主題かなとも思ったが、最後までいったら「おお、読んで良かったぜ!」となったよ 橋本治の文はまわりくどくてネチっこいんだいんだ ちょっと読みずらい そのせいもあってか 引用されていた夏目漱石の「坊っちゃん」の一節が歯切れがよく気持ちいいこと こりゃあ紹介しなきゃと思ったよ(97頁から一部削除して引用すると)(坊っちゃんは)ひろびろとした海の上で、潮風に吹かれるのは薬だと思った。いやに腹が減る。赤シャツ「あの松を見たまえ。幹がまっすぐで、上が傘のように開いてターナーの画にありそうだね」野だいこ「まったくターナーですね。どうもあの曲がりぐあいったらありませんね。ターナーとそっくりですよ」(坊っちゃん)ターナーとは何のことだか知らないが、聞かないでも困らないことだから黙っていた。(引用終了)文のリズムもいいんだが 内容も面白い 一流の英文学者であり教養人であった漱石が 教養人の赤シャツをバカにして、武骨な坊っちゃんを親しみを込めて描いている 不思議だと思わないかい?