ちょっと前にラジオで漫才をやっていた。いろいろやりながら聞いていたのでコンビの名前は失してしまったが、次の会話が面白かった。
「金なら腐るほどあるでー」
「それなら、少しお金をくれよ」
「だめだ」
「なんでだよ、いま金なら腐るほどあるっていってたじゃねえか、少しぐらいくれよ」
「金はもう腐ってしまった」
どう笑えた?
漫才の話は終わりにして、昨日の帰りの電車に乗っていた時のことを書こう。
夜の10時近く。大きな駅に着いて多くの客がどっと降りた。おいらは席に座りながら、降りていく乗客の後姿を見るとはなしに見ていた。
降りる客がいなくなると、バディーホリーのような黒ぶちのメガネをかけた30代の男が乗り込んできた。マフラーみたいなのをしていてちょっと伊達。この男、車内を見まわすと、空席がいくらでもあるのに中央付近でうつらうつらしている中年の女の人のすぐ隣にササっと座った。普通はドアのそばの端の席に座るわな。あやしい。あとから乗ってきた人たちで空席は埋まったんだが。
おいらは、さりげなく観察を続けた。こいつは痴漢か?隠しカメラ類は持っていないようだし、オドオドもしていない。しかし、横目で時折ちらっと女性のほうをうかがっている。幸い目をつむっていた女性は次の駅で降りていった。すると男はすぐに立ち上がって隣の車両にそそくさと移っていった。隣が空いたんだから普通ならゆったり座るはずだ。スリだと分かった。追跡はしなかったが、スキのある人のそばに行ったんだろう。
一見普通だったから、見かけじゃわからないな。まあ、これから寒くなっていくから一杯ひっかけて電車で帰るときは用心だな。