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在日コリアン弁護士の日々是好日

名古屋の弁護士裵明玉(ペ・ミョンオク)のブログ。
主に在日コリアン・外国人をめぐる社会・法律問題について発信します。

 21日まで、国連の人種差別撤廃委員会による日本政府の条約遵守状況の審査が、スイス・ジュネーブで行われていました。

 

ヘイトスピーチに対する法規制の必要性について、複数の委員がコメントしたと新聞各紙が報じていますね。

 

あまり報じられていませんが、現地に飛んで審査を傍聴したNGOの関係者によると、朝鮮学校の「高校無償化」はずしについても、複数の委員がコメントしたとのことです。

特に、モーリシャスのユエン委員は、朝鮮学校外しは、政治的な事情があるようだが、人権侵害を受けるのは朝鮮学校に通う生徒たちで、差別ではないかと、日本政府を強く批判したとのこと。

 

人種差別撤廃条約委員会は、2010年の審査でも、中井洽拉致担当大臣(当時)など一部の閣僚が、朝鮮学校の無償化はずしを求めていたことについて、「差別を助長する」として懸念を表明しました。

当時は、高校無償化が導入される直前の時期で、今回の審査が、朝鮮学校外しが明確にされた後の初審査になります。8月末に公表される最終見解に、この問題が盛り込まれるか要注目です。

 

ちなみに日本政府が事前に提出している報告書の和訳は、外務省のサイトで見られます。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinshu/index.html

 

この中の在日韓国・朝鮮人についての説明ですが・・・

 

21.日本に在住する外国人のうちの約4 分の1 を占める在日韓国・朝鮮人の大部分は、いわゆる日本の統治時代の36 年間において(19101945 年)種々の理由により我が国に居住することなり、その間日本国籍を有していたが、第2 次世界大戦後サンフランシスコ平和条約の発効(1952 4 28 日)に伴い日本国籍を離脱し、その後引き続き日本に居住している者及びその子孫である。

 

まるで、在日が自由意思で日本国籍を離脱したかのような書きっぷり。

この説明では、少数民族化を嫌った日本政府が、通達で、一方的に日本国籍を奪ったことが見事に覆い隠されています。

しかも、日本国憲法の草案には存在した外国人の平等権条項は、事前に削除しておく用意周到っぷりで、在日はいきなり「無権利の外国人」にされてしまいました。

西ドイツ、イギリス、フランスなどでは、植民地の独立の際に、国籍選択を認めており、当時の人権水準では~云々という理屈は通じません。

 

在特会などは、外国人なのに特別永住資格を持っていることを在日特権と言っていますが、そもそもの出発は、暴力的な植民地化でムリヤリ日本国籍にされる朝鮮総督府の経済政策で農民の流民化、強制連行などで在日朝鮮人が200万人に日本が敗戦したら今度は問答無用で日本国籍を奪い、何の権利もない外国人にされる1991年、やっと特別永住資格が認められる、という流れ。

日本国籍剥奪の経緯を見たら、特別永住資格を特権なんて言えないはずなのです。

 

この部分以外にも報告書には、「隠したいことを嘘とまで言わせずに、いかに曖昧に巧妙に表現するか」のお手本のような文章がちりばめられていて、突っ込みスキルが試されている感じです。

相続に適用される法律は、被相続人(=亡くなった人・相続される人)の本国法とされています。相続する人の国籍は関係ありません。


つまり、在日コリアンのXさんが亡くなったとすると・・・ 

Xさん=日本国籍(帰化者)  日本法で相続

Xさん=韓国国籍  韓国法で相続

Xさん=朝鮮民主主義人民共和国国籍  朝鮮法で相続

となります。

もっとも、朝鮮は社会主義国なので、土地の私有が認められていません。

マイホームの相続はどうなるでしょう?

この問題をクリアするため、朝鮮では、外国に居住する国民のために対外民事関係法という法律を作って、特別のルールを定めています。

そのルールとは・・・

・不動産の相続にはその不動産の所在する国の法律を適用する

・外国に住所を有する国民の動産(=不動産以外の財産)相続には、被相続人が最後の住所地の国の法律を適用する

したがって、日本に永住する在日の場合、日本の法律で相続することになり、日本人の場合と変わらないことになります。

【結論】

在日コリアンの相続では、韓国を本国法とする人は、韓国法で相続します。

それ以外の在日(帰化した人、朝鮮を本国とする人)は日本法で相続します。
韓国法で相続する人は、相続への備えも、韓国の法律にしたがってする必要があるわけです。