在日コリアン弁護士の日々是好日

在日コリアン弁護士の日々是好日

名古屋の弁護士裵明玉(ペ・ミョンオク)のブログ。
主に在日コリアン・外国人をめぐる社会・法律問題について発信します。

朝鮮・韓国絡みの事件のご相談者から、よくこんな言葉を聞きます。



「どこに相談していいかわからなくて困った」
「そもそも日本で解決できるのかわからなかった」

こうした方々の悩みを少しでも減らせればと思い、
ブログをはじめることにしました。
朝鮮・韓国籍、帰化した方の相続、離婚などについて書いていきたいと思います。

面談での法律相談をご希望の方は、
名古屋北法律事務所までお電話ください。

初回相談料(45分間)は無料です。
朝鮮語(韓国語)によるご相談も承ります。

■連絡先
弁護士法人名古屋北法律事務所
名古屋市北区平安2丁目1-10第5水光ビル3階
TEL:052-910-7721

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今回は日本人と韓国人の国際離婚、なかでも相手が韓国に帰ったまま行方不明になってしまったケースについて書きます。

さて、この場合離婚はどうなるでしょう。

実はこうした悩みは少なくなく、中には、数十年もの間、再婚もあきらめて暮らしてきたけれど、相続できょうだいに迷惑をかけたくないからとご依頼に見えた方もいました。

日本人の側がまず気になるのは、日本にいながら離婚することができるか、でしょう。

この場合、一緒に離婚届を出すことも、調停で相手を呼び出すこともできませんから、裁判で離婚できるかが問題となります。
相手が日本にいないのに、日本の裁判所に裁判を起こせるのでしょうか?

原則的には、夫/妻が国外にいる場合、離婚の裁判は相手の住所のある国に起こすべし、とされています。
しかし、タイトルのように、相手が行方不明の場合には、日本の裁判所に離婚裁判を起こすことが許されています。

そして、夫婦の一方が日本に住む日本人の場合、離婚に関する法律は日本の民法になりますから、悪意の遺棄や婚姻を継続しがたい重大な事由があるして、離婚が認められることになるでしょう。

夫/妻が外国にいる場合でも例外的に日本で離婚裁判を起こせるケースは他にもあります。
諦めずに、ご相談されることをお勧めします。
  在日コリアンの方の相続案件では、韓国の旧戸籍や家族関係登録に関する書類(婚姻関係証明書、家族関係証明書、除籍謄本など)、朝鮮民主主義人民共和国の印鑑証明書、死亡証明書などの証明書の翻訳が必要となります。

  当事務所でご依頼を受けた案件に関しては、これらの書類の翻訳も一括して請け負います。
 このほか、事件に関する韓国語(朝鮮語)の証拠書類についても同様です。

 ですので、初回の相談の際も、あらかじめ翻訳会社などに依頼して翻訳書類を持参される必要はありません。
 会社によっては高額の翻訳料金になりますので、それだけでも節約になるのではと思います。

 ここからは余談ですが、私は日本生まれの三世ですので、朝鮮学校に入るまでは日本語しか話せませんでした。

 16年間の民族教育でバイリンガルに育ててもらったわけですが、その中でも特に役立っているのが、漢字のハングルへの変換の勉強です。

 日本語から韓国語(朝鮮語)への翻訳の際に、この漢字をハングルではどう表記するのかを、朝鮮学校では徹底して訓練させられました。
 学年が上がって覚える漢字が増えるたびに、その漢字のハングル読み、表記を学んでいくのですね。
 この訓練によって、漢字の多い日本語の論文などもスムーズに訳すことができるんです。

 朝鮮学校の国語教育は、日本で生まれ、日本語しか知らない子どもたちが、日本語能力をベースにして朝鮮語を身につけるためにものすごく研究され、工夫されていたのだと大人になってわかりました。

 今の学生さんたちは、ハングル能力検定もあるし、英語教育の低年齢化によってトリリンガルを目指せる環境もあり、かなりうらやましいです。
 学生の時は、正直面倒くさいと思っていた漢字➡ハングル訓練ですが、現役の学生さんには頑張って損はないよと熱くお伝えしたいです。

最近韓国出身の韓国人と結婚された在日コリアンの方の離婚相談が増えています。そこでよくいただくのが、韓国と日本で別居している場合、離婚の手続きはどうなるの?という質問です。

 結論からいうと、離婚の合意ができた場合に別居したまま離婚することは可能です。

 韓国人同士の離婚では、法院の意思確認が必要となることは以前の記事でお知らせしたとおりです。
これは在日コリアン同士でも片方が韓国出身の韓国人でも変わりません。
 そして、離婚の意思確認は、双方が韓国にいる場合は管轄の法院に、双方が在日コリアンの場合は管轄の領事館に出頭して手続きしますが、日本と韓国で別居している場合、日本にいる側が先に領事館に申請して、領事館から法院を通じて韓国の相手方を呼び出してもらうことができます。この反対に、韓国にいる側が先に法院に申請して、領事館から日本にいる相手方を呼び出してもらうこともできます。

 いずれにしろ、別居したままでも、協議離婚をすることは可能です。

 小さいお子さんがいらっしゃる方、離婚原因にDVがあり、相手方と顔を合わせたくない方にとって、離婚のために先方のいる国に赴くのは大変な負担ですよね。
このような方法もありますので、参考になさってください。

昨日12月10日、特定秘密の保護に関する法律(秘密保護法)が施行されました。

 

秘密保護法は、防衛・外交・スパイ防止・テロ防止の4分野に関する情報を行政機関が「特定秘密」に指定すること、そして「特定秘密」を取り扱う人を調査・管理し、「特定秘密」を外部に知らせたり、外部から知ろうとしたりする人を処罰することについて定めた法律です。国民の知る権利を阻害する法律だとして、日弁連やアムネスティ・インターナショナルなどの人権擁護団体、憲法学会等多くの学会から反対意見が出ていることは、皆さんご存じだと思います。

 

知る権利、表現の自由の問題については、ほかにも多くの情報があるので、ここでは、秘密保護法が外国人差別(とくに就職、結婚差別)を助長する法律であることについて書きたいと思います。

 

 問題となるのは、「特定秘密」を扱う人に対する「適性評価」という制度です。秘密保護法では、適性評価をクリアした人だけが、「特定秘密」の取り扱い業務に携わることができるとされています。適性評価の対象となるのはなにも公務員だけではありません。行政機関と契約して「特定秘密」の提供を受ける適合民間事業者の従業者も対象になります。

 

秘密保護法は、この適性評価の調査項目に、評価対象者の家族・同居人の「国籍(過去の国籍含む)」を含めています(秘密保護法12条2項1号)。

 

特定秘密の保護に関する法律全文

http://law.e-gov.go.jp/announce/H25HO108.html

 

次に、2014年10月14日に閣議決定された運用基準を見てみましょう。

適性評価の質問票を見ると、評価対象者自身と、家族(配偶者(事実婚も含む)、子ども、兄弟姉妹、配偶者の父母、配偶者の子ども=連れ子)、同居人に対して、国籍に関する以下の内容を記入することになっています。

 

・日本国籍の有無

・帰化歴の有無、元の国籍

・外国籍を有していたことがあるか

・帰化前の姓名を含む旧姓・通称

 

特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準 
http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2014/tokuteihimitu/h261014_siryou8.pdf

 

この質問票からは、「特定秘密」を取り扱う立場の人が、外国籍であることや過去に外国籍であったこと(帰化歴や二重国籍の場合の国籍離脱歴)、家族や同居人に外国籍、過去に外国籍だった人がいることが問題視されていることがわかります。

 

国籍や帰化歴が問題視されるとなると、「特定秘密」を取り扱う可能性のある行政機関や企業が、適性評価をクリアできないというリスクを避けるために、外国籍の人や帰化した人を排除しようとしたり、昇進を制限したりすることが予想できます。適性評価制度は、外国籍の人や帰化した人、家族に外国人がいる人の就職、昇進差別につながるおそれが高いのです。

 

また、家族の国籍や帰化歴まで問題とされることから、国家公務員や政府と取引のある企業の従業員などが、外国人との結婚を忌避しようとするおそれもあります。現在でも国際結婚において、家族の反対は大きな障害となることが多いですが、配偶者の親や連れ子の国籍まで問題とされることで、この傾向が一層強まる可能性があるのです。

 

就職と結婚での差別は、人の心に癒えない傷を残します。ただでさえ多くの外国人が社会の偏見や差別、制度の壁に苦しんでいる中で、外国にルーツのある人を、国家防衛における危険分子のように扱い、偏見と差別を助長する秘密保護法には大きな問題があります。

ほかにも適性評価では、過去の犯歴や飲酒に対する節度、精神疾患歴を調査対象としており、様々な差別を引き起こす可能性があります。適性評価を通じて、不適合とされた(される可能性のある)人々とそうでない人々の間が分断される危険性があります。

私は、このように社会の分断を招くという点からも、秘密保護法は廃止されるべきだと考えています。

 

秘密保護法についてもっと知りたい方のための参考リンク

秘密保全法に反対する愛知の会 http://nohimityu.exblog.jp/

秘密保護法対策弁護団 http://nohimituho.exblog.jp/

三連休、友人の結婚式のため久しぶりに上京しました。
式の後、新宿南口へ出たところ、道路の向こうから異様に耳慣れたリズムが聞こえてきました。
新宿の街との取り合わせがあまりにも意外で最初なんだかわかりませんでしたが、耳を澄ませているうちに、それが「チャンダン」であることに気がつきました。 チャンダンというのは朝鮮音楽独特のリズムのことです。

ここで、「何かが起こっている」と気付いた私は、待ち合わせ場所の改札口から離れて道路のほうへ出てみました。
するとまず右手から写真のトラックが出現。



     「Blend is beautiful」と書かれた後ろでは、「NO HATE」のプラカードを持ったお兄さん達が踊っています。
そして、「NO HATE」「差別はダメ」「差別のない世界を、子どもたちへ。」「Do the right thing」と書かれたプラカードを持った人々が次から次へと歩いてきました。



中にはチマチョゴリを着ている可愛い女の子たちもいます。若い人も、年を取った人も、子どもを連れている人もいます。チャンダンは、トラックの前を朝鮮の民族楽器を鳴らしながら歩いている一団のものでした。
多くの人が笑顔で、沿道の人々に手を振っています。

  すぐに差別の撤廃とヘイトスピーチ反対を訴えるデモだとわかりました。
 デモを行う人々の姿は、途切れることなく、次から次へとやってきます。



この時の自分の気持ちをうまく言い表すことができないのですが、本当に偶然に、素晴らしく大きな贈り物をもらったような気持ちになりました。いつの間にか涙が流れていました。
私に気付いた若い女の子がにっこりして手を振ってくれました。私も大きく手を振り返しました。この気持ちが少しでもこの人たちに、三連休の真ん中の日を、差別撤廃のデモのために、東京の街を歩くと決めた人たちに伝わるといいと思いました。

いつからでしょう?
 書店の棚の目立つところに、「呆韓論」「悪韓論」「笑えるほどたちが悪い韓国の話」などの韓国や韓国人をあざ笑う本が並ぶのが当たり 前になり、タクシーに乗れば運転手さんが韓国人、中国人の悪口を言い(私を日本人だと思っている)、弁護士会の相談センターで「何人ですか?」とわざわざ 確認してくる人が増えたのは。
大学で講義をすると、在特会が垂れ流す「在日特権」や、歪曲だらけの歴史を素直に信じている学生たちに遭遇するようになったのは。  

こんな日常の中で、目の前を歩いている何百もの人々は(後で調べたら2000人くらいのデモだったそう)、差別に対して怒りを持っていることを堂々と表明している。たくさんの初めて会う、通りすがりの他人である人々が、「私を差別していない」「私を敵視していない」と感じられる、こんな安心はもうずっと感じていなかった。
そう思うと同時に、自分で意識しているより、緊張して日々を過ごしているのだと気付かされました。ハッとさせられる体験でした。  

デモの最後に「弁護士」の腕章をしたスーツ姿の男女が歩いていたので、心の中で「お疲れさま」を言いました。スマホで調べたら、東京大行進2014-TOKYO NO HATEというデモでした。差別に苦しんでいる多くの人に、特に子どもたちに、このデモの存在を知ってほしいと思い、ブログに書くことにしました。少しでもこのデモの精神を広げられたらと思います。  

*表現が気になるところがあったので、11月8日、加筆修正しました。