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追憶の骨 (bones)

音楽や映像だけでは残せない、あの時の僕たち。

 

 

終業のチャイムを合図にスタートする食堂ダッシュ、今から30数年前、「最もいい定食」をゲットすることが、僕の昼休みのすべてだった…。

 

今日のブログは、そんな頃の話だ。

 

 

「なぁ、バッドシーン見にいかね?」

 

食後の教室、自分の席でコーヒー牛乳を飲みながら、カッタるさをやり過ごしている僕のところに、何かの雑誌を開きながら、いそいそと友達が近づいてきた。

 

「えっ、マジで? いいけど、どこで演んの?」

「福生(ふっさ)…、だって。」

「それ、どこよ??」

 

親にウソをついてライブハウスに行くようになった、ちょうどそんな頃のこと、新宿や渋谷は多少見当がついても、それ以外はまだまだ、さっぱりわからない。

 

 

その日の帰り、切符売り場の上にある路線図で、ようやくその駅を見つけた。都心とは逆方向、東京郊外に位置するこの場所からでも、ラクに1時間以上はかかりそうだ。

 

「こんなとこにライブハウスなんて、あんのかよ?」

「でも福生って書いてあるじゃん…。」

「なんかさ、ヤバくね??」

 

なにせ情報のない時代。

 

僕らにあるのは、友達が持っている「BAD SCENE」という1枚のレコードと、雑誌の小さな告知記事だけだ。

 

「これってさ、本当に『BAD SCENE』なの…?」

「いやぁ、そうだろ、きっと…。」

「行ったらさ、全然違うヤツだったら、どうする??」

「えっ~、じゃ、行くの止める??」

「ん~、でも、分かんないから、行ってみるか?」

 

まだ何も知らない小僧二人は、コーヒー牛乳を飲みながら、駅のホームで、いつまでも、そんな話で盛り上がっていた。

 

 

 

SAHARA / BAD SCENE 1981

 

 

<つづく>