胸には言葉が刺さっていた。① | 追憶の骨 (bones)

追憶の骨 (bones)

音楽や映像だけでは残せない、あの時の僕たち。


(NHKスペシャル「カラーでよみがえる東京」より)


こんにちは、ボーンズ88です。

僕は先日、「ブログの内容を、今後どうするのか考える」と書きました。

残念ながら今日にいたっても、まとまりがつかなくて、まだ「うだうだ」と考えを巡らせています。そんな事情もあってか、どうも今月は更新がはかどりません。

「ブログなんて、すきに書けばいいじゃ~ん!」

… そうなんだけどね・・・。


(NHKスペシャル「カラーでよみがえる東京」より)


先日、NHKスペシャル「カラーでよみがえる東京」が放送されました。

この番組は、「現存している白黒フィルムを、現代のデジタル技術でカラー化する」というもので、1900年初期から1960年代までの日本の様々な時代の情景を、鮮やかに蘇らせていました。

番組のテーマは、関東大震災、東京大空襲と、2度も焼野原になった東京を復興させる「日本人の強さ」を描いたものになっています。


(NHKスペシャル「カラーでよみがえる東京」より)


ちょうど終戦直後、「東京裁判」のシーンの後ぐらいでしょうか…、

映像と共に、伊丹万作という人の言葉が紹介されます。

多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。いくらだますものがいても、だれ一人だまされるものがなかったとしたら、今度のような戦争は、成り立たなかったにちがいないのである。

… えっ・・・。

突然聞いたこの言葉の鋭さに、僕はハッとしました。

そして、さらにもう一言。

「だまされていた」といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによって、だまされ始めているにちがいないのである。



(NHKスペシャル「カラーでよみがえる東京」より)


繰り返しになりますが、この番組は「日本人の強さ」を描いています。

でも、こうした言葉の引用の中に、現代への批判が織り込まれていたような気がします。言論統制下にあるNHKのささやかな抵抗かもしれません。

戦時中、国立競技場で行われた「学徒出陣」のパレード。

知識として、知ってはいるのです。

しかし映像で見る、あの「涙の雨」と東条英機の「天皇陛下万歳」のシーンは、どんな文章でも表現できない感情が、あの時、あの場所にあったということを伝えていました。

その国立競技場が、東京オリンピックの入場行進に繋がっていく…。

「日本人は本当に、この国立競技場を解体していいだろうか?」

映像から、そんな無言の問いかけがあったように感じます。



録画したこの番組を、もう一度最初から見直した僕は、

PCを起動させ、「伊丹万作」という単語を検索する。

胸には言葉が刺さっていた。


(NHKスペシャル「カラーでよみがえる東京」より)

②につづく