HIXの道でも良い事 -29ページ目

HIXの道でも良い事

浪花騒道屋HIXのブログ
日々のパフォーマンス活動の中から、道(どう)でも良い事を綴ります


音楽をテーマにした映画2本

どちらも主人公達の心の叫びが胸に響く良作でした


ネタバレありの感想です


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エイミー


「私は売れないと思うわ、曲が一般的じゃないもの」
「プロになるなんて思ってなかった、歌い時に歌えればそれでいいの」
「私にとって成功とは売上じゃない"仕事に対する自由”よ」
「私に音楽しか能がないの、だから音楽をさせて」
「最近の曲は薄っぺらくて聴く気にならない。だから私が歌うの、
聴きたい曲を」

そう語る18歳のエイミー・ワインハウス
彼女は25歳でグラミー賞を獲り
27歳で世を去った
あまりに短く、鮮烈なエイミーの生涯を追ったドキュメンタリー

音楽に対し真摯に誠実に向き合っていた新人時代
明るく、大きく笑う彼女の内面はスクリーンから溢れ、観客に届きます

やがて彼女はブレイク、イギリス有数のセレブリティになります

ただ歌う事だけを望んだ彼女はその環境の変化に戸惑い、馴染めず、精神は不安定になり
オトコとアルコールとドラッグに溺れて行きます
エイミーの事を真に思うマネージャーを解雇
体調を考慮せずビジネス優先のマネージャー
ジャンキーの彼氏
幼い彼女を捨てたのに、彼女の稼ぐカネ目当てで戻ってきた父親

エイミーの周りにはカスでクズなオトコばかり
彼らはエイミーの死の責任を押し付け合い、自分の事を全く顧みない

胸くそ悪い事この上なし。

映画の終盤、闇に囚われ壊れて行くエイミーは序盤の同一人物だとはとても思えない
あれほど剥きだしだった彼女の感情が外に向かって完全に閉ざされてしまうのが悲しくて仕方ない

「私に音楽しか能がないの、だから音楽をさせて」
かつてそういったエイミー、遂にはステージに酔ったまま上がり、座り込んでしまう

カリスマとは夭逝する事で完成する面もある

でもここまで純度の高い美しく才能が、醜く救いなく汚れる様というのは中々無いのではないか

誰もが自分の成功を願い
本当の自分を探す現代社会

その象徴としてメディア祭り上げられ、讃えられ
スキャンダルと共にハシゴを外され

堕ちて
砕けた

ディーヴァが独り



この夕闇の中で
私の涙は
勝手に乾く


Tears Dry On Their Own



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シング・ストリート 未来へのうた

ノーマークだったけど凄く良かった
これは今年の自分ランキングの上位に入る



舞台はアイルランド、ダブリン
両親の不仲で経済的に苦しくなり 下町の学校に転校
そこでイジメられる日々を送るコナー

一目ボレした女の子を振り向かせる為にバンドを組む

クソみたいな日常から、ロックンロールだけが救ってくれると信じた若者達の
ど直球青春群像物語

時代が80年台なのもいい
SNSに頼らない、正面からぶつかり合う痛みと甘酸っぱさ

不純な動機で結成され
最初は冴えなかったカーター達のバンド
それがだんだんロックンローらーとしての色気を出していく映像マジック
なんなんこの子ら、マジ凄い

中盤のPV撮影のシーンが良すぎ

ラフィーナが海に飛び込むシーンの開放感


監督の出身地であるダブリンが舞台である意味

アイリッシュ海を挟んでイギリスが見えている訳です
理由も根拠もないけど
あそこに行けば、この閉塞感から逃れられると底辺にあえぐ若者達は思う訳だ
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オトナ達は何もしてくれないから自分で踏み出す
囚われのお嬢さん 君のこと奪うけどいいかな?
ボーイミーツガール ウィズ ロックンロール

二人を見送る兄貴の視点は観客の視点

それは
無茶や冒険ができなくなったオトナが
自由なワカモノの背中への羨望

ああたまらない
久々に劇場で胸が熱くなった


この映画を見に行く人

エンドロールが始まっても

場内明転まで絶対席を立ったらダメだ!


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