『ただいま~。今日もきつかったよ~』
「あの~智。あなたの家は、隣なんだけど?」
『知ってるよ。ここだって、オイラんちみたいなもんじゃん!』
ー智君きてるの?ご飯食べてく?お母さん遅いって言っていたから。
『は~い。おばちゃんありがとう。』
この男。
年下のかわいさオーラを半端なく出してくる。
知らないんだろうなぁ。
君のこと好きって社内でも言っている女の子が多いってことを。
家も一緒。
会社も一緒。
近すぎるから壊したくない関係。
しかも、智、会社では話をしないし、もくもく仕事する男。
大半の子がだまされている。
ずるいよ。
年上だし、この関係を壊したくないから何にも言えないじゃない。
『どした?』
ふにゃんと笑う智。
「人の気も知らないで・・・」
ぼそっと呟く。
『そっちだって!』
?
『人の気も知らないでって言ったでしょ?
それはオイラのセリフ。
会社だって、おんなじにしたのに、ここ以外では無視だもんね。』
「無視してない!」
『何のために一緒の会社を選んだか。
オイラ、ずっと一緒にいたいから。
柚希に変な虫がつかないか、監視もできるし。』
「虫って・・・」
『オイラが柚希の虫になりたいんだけど・・・』
「智は虫じゃーないよ。」
『もうね。弟は飽きたよ。
彼氏にしてよ。いい加減。
オイラじゃーだめ?』
ふにゃんって笑う笑顔に、私はずっと、勝てないんだろうなぁ・・・・