ドイツの確定申告で旅費に関する経費の計算の仕方
ドイツの個人事業主(Freiberufler)として確定申告を行う際に、旅費に伴う経費(ホテル代、交通費、食費)は特定の条件下で経費として計上できますが、100%全額が認められるわけではありません。以下にそれぞれの経費について詳しく説明します。
1. ホテル代
ホテル代は、業務に関連した出張のための宿泊費として経費に100%計上できます。特に注意すべき点は以下の通りです。
- 業務関連性:出張が業務に関連していることを証明するため、出張の目的や関連する業務内容を記録しておくことが重要です。
- 領収書:ホテル代の領収書を保管し、出張期間や宿泊費が明確に記載されていることを確認します。
2. 交通費
交通費も、業務に関連した出張のための費用として経費に100%計上できます。
- 公共交通機関の料金(電車、バス、飛行機など)
- 自家用車の使用:自家用車を業務で使用した場合、走行距離に基づいたキロメーター当たりのレート(現在は約0.30ユーロ/km)が適用されます。
- その他の交通手段:タクシー代やレンタカー代など
3. 食費
ドイツでは、業務出張中の食費補助として日当が認められています。この日当は、実際にかかった食費に関係なく、規定された金額を経費として計上することができます。これにより、領収書を提出する必要がありません。
- 日当(Verpflegungsmehraufwand):業務出張の場合、一定の食費補助額が認められています。日当の金額は出張先と滞在期間によって異なります。国内出張の場合、出張先での滞在時間が8時間以上の場合に24時間ごとの一定額が支給されます。
- 一部制限:食費の全額を経費として計上することはできませんが、日当として認められた額を経費に計上できます。
日当(Verpflegungsmehraufwand)の金額(2023年時点の例)
国内出張
- 8時間以上の出張:14ユーロ
- 24時間以上の出張:28ユーロ
- 宿泊を伴う出張の出発日および帰宅日:14ユーロ
国外出張
・国外出張:国によって異なり、国ごとに定められた日当額が適用されます。
必要な書類
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出張記録(Reisetagebuch):
- 出張の日付、出発時間、帰宅時間、出張先、および出張の目的を記録します。
- 出張記録は、税務署からの監査時に必要となることがあるため、正確に記録し保管しておくことが重要です。
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出張命令書(Reiseauftrag):
- 会社や自己が発行した出張命令書も保管しておくと良いでしょう。
例外と注意点
- 一部の食事が提供された場合:
- 例えば、宿泊施設で朝食が提供された場合や、出張先で昼食や夕食が提供された場合は、日当の額からその分を差し引く必要があります。朝食は20%、昼食および夕食はそれぞれ40%を減額します。
計算例
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**1泊2日の国内出張(24時間以上)**の場合
- 出発日:14ユーロ
- 滞在日:28ユーロ
- 合計:42ユーロ
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食事が提供された場合(例:1日目の昼食提供)
- 出発日:14ユーロ
- 滞在日:28ユーロ - 40%(昼食) = 28ユーロ - 11.2ユーロ = 16.8ユーロ
- 合計:30.8ユーロ
税務申告
- 経費としての計上:
- 確定申告時に、出張の日当を経費として計上します。日当額に基づいて算出し、出張記録を証拠として添付します。
まとめ
食費については、領収書がなくても日数分で計算し、定められた日当額を経費として計上できます。出張記録を正確に保管し、必要な場合に備えておくことが重要です。
税務申告に関する詳細なアドバイスや具体的な計算方法については、税理士に相談することをお勧めします。税理士は最新の規定に基づいて、正確な申告をサポートしてくれます。