顔面神経麻痺にはいろいろな原因があり、治癒率も治療方法も異なります。
一般にはそのことが知られていないようです。
最も多いのはBell麻痺、次に多いのが私が罹患したHunt症候群です。
専門書をもとに、この二つの特徴を整理します。
【Bell麻痺】
末梢性顔面神経麻痺の60 - 70%。
原因は主に単純ヘルペスウイルス1型。ただし1 - 2割は水痘・帯状疱疹ウイルス。
治癒率は90%前後。
めまい症状はきわめて稀である。
ステロイド療法。
再発することがある。
【Hunt症候群】
末梢性顔面神経麻痺の10 - 15%。
原因は水痘・帯状疱疹ウイルス。
治癒率は50 - 80%。Bell麻痺より予後不良。
耳鳴り、難聴、めまいの自覚症状がある。
耳介または口腔咽頭粘膜の疱疹がある場合が典型的だが、それがない場合もある。
ステロイドと抗ウイルス薬の併用療法。
再発はきわめて稀。
出典 : 日本顔面神経研究会編「顔面神経麻痺診療の手引きーBell麻痺とHunt症候群ー2011年版」