今回は、第一印象を大きく左右する婚活ファッションについて。現在の婚活現場において男性から好印象を持たれやすい服装は一般的に女性が「おしゃれ」と考えるものとは異なる点について解説します。 【写真で見る】女性同士ではウケがいいナチュラル系ファッションも婚活では不評? ■「性格は合うのに…」別れを決意  たかが服と思うかもしれませんが、これが意外と婚活で成功するかどうかの決め手となることがあります。

 お見合いでは、1人だけと会うのではなく何人とも会うわけですから、その中で一番印象に残った人しか次に進むことができません。そのためパッと見を印象づける服装は大きな役割を果たすのです。 【写真】女性同士ではウケがいいナチュラル系ファッションも婚活では不評? 「NG例」」「OK例」の服装を見る(4枚)  30代の男性・翔さん(仮名)は、アナウンサーのような上品な婚活ファッションでお見合いに来た30代女性に、会った瞬間に「なんてかわいいんだ!」と心を奪われ、交際に進みました。実はそのとき翔さんは、同じく30代の花凛さん(仮名)という女性と交際中でした。

 しかし、花凛さんとはどうにも進展せずにお別れを決意。 翔さんと花凛さんは、ともに高学歴で話が合い、LINEでやり取りしていると楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまうほどだったそうです。「性格は絶対に合っていた」と翔さんは言います。  しかし、1カ月経っても真剣交際に踏み切れませんでした。LINEでは楽しいのに、実際に会うとどうしても気持ちが萎えてしまうのだそうです。花凛さんの容姿は悪くはないのですが⋯⋯。

 翔さんに理由を聞いてみると、「彼女の服、見てください」と写真を見せてくれました。写真に写った花凛さんは、白地にチェリー柄、ちょうちん袖のワンピース姿。まるで小学生が着るような服で、30代女性の顔にまったく合っていませんでした。  「これは『お母さんと一緒に買いに行った』と言っていました。彼女もお母さんも、どうしてこの服を選んだのかまったくわかりません」と翔さん。 ■メイクレッスンを薦めてみたが…  「もしかしたら自分の感覚がおかしいのだろうか」と思った翔さんは、自身の母親と妹に女性目線から見た彼女の服の印象について聞いてみたそうです。

 

 

 すると、2人とも口をあんぐりして「こんな服、今どき売ってないよね」「なんでこんな服を選んだんだろう」と驚いたとのこと。そして花凛さんは、リップすら塗っていない手抜きメイク。あまりスキンケアもしていないため肌荒れも目立っていたそうです。  翔さんはなんとか関係を進展させたいと、花凛さんをメイクレッスンに連れて行きました。もしかしたらおしゃれに目覚めるかもしれないと思ったのです。  しかし、花凛さんはまったく興味を示さず、きれいにメイクをしてもらってもうれしそうではありません。イヤイヤやっていることが伝わってきて、翔さんはますますガッカリしてしまいました。

 そうこうしているうちに、冒頭の女性とお見合いする機会があり、一気に気持ちが彼女に向いて花凛さんとは交際を終了することになりました。  「花凛さんのほうが会話は楽しかったのだけれど」と言いつつも、彼女の服のセンスが受け入れられなかった翔さん。「このまま花凛さんと結婚したら、きっと浮気してしまう」と思ったのだそうです。 ある30代前半の女性・莉子さん(仮名)は4人とお見合いし、全員にフラれました。年齢を考えると、そんなにフラれることはそうそうありません。

 いったい何が問題だったのか、男性側に聞いてみると「普段着で来たから」と言う。「普段着とはどんな服装ですか」と聞くと「よく覚えていません。まったく印象に残らない地味な服装で来たんです」。 ■ベージュのワンカラーコーデはまるで熊  改めて莉子さんに何を着て行ったのか聞いてみると、トップスはベージュ色のふんわりしたブラウス、ボトムスはやはりベージュ色でヒップがタイトで、丈が足首まであるマーメイドラインのマキシスカート。一見、流行に乗ったおしゃれな服装です。

 しかし、男性から見ると、上はダボッとしていてバストがどこにあるのかわからない。下はヒップの位置はわかるけれども足がまるで見えない。しかも上から下まで全部ベージュで地味。  「今はマキシスカートが流行っているんですよ。ワンカラーコーデもおしゃれ上級者のテクニックですよ」と伝えても、男性は「流行なんかわかりません。毎日、会社と家の往復で、街中の女の子のファッションなんてよく見てないので」と言う。あげく「あれじゃ、ほとんど熊ですよ」

 

 女性のおしゃれを否定するわけではなく、婚活ではトレンドやモード系のおしゃれのウケがあまり良くないことは厳然とした事実です。  例えば、流行の丈の長いベスト「ロングジレ」なんて、十中八九「おじさんみたい」と言われます。マキシスカートは「カーテンみたい」と思われるし、「階段で踏んでしまうんじゃないかと心配」と言った男性もいました。「小花柄はおばさんみたい」「膝下丈スカートはママさんっぽい」と眼中にナシ。婚活では、スカートは膝丈がいちばんウケがいいです。

 お見合い写真の撮影で、パリッとした白いシャツに黒のパンツで来た女性がいました。一見、清潔感があってよさそうですが、これもNG。婚活は就活ではありません。白いシャツに黒のパンツは典型的なオフィスファッション。  案の定、その写真を掲載しても、誰もお見合いを申し込んできませんでした。このような服装でお見合いに行ったら、「仕事帰りのまま。手抜きをしている」と思われてしまいます。 ■オフィスファッションの問題点

 4月期のドラマ「Destiny」では、検事役の石原さとみさんがパンツスーツでビシッと決めてモテていましたね。ああいったカッコいい女性がモテるドラマや漫画は多いのですが、現実には男性から見ると「怖そう」「結婚する気がなさそう」と思われることが多いようです。  それに、お見合いはマッチングアプリとは違い、駅前のチェーンカフェではなくホテルのラウンジで初対面します。男性はお見合いのたびにお茶代約5000円を負担するので、1日3人とお見合いすれば1万5000円かかります。カジュアルやオフィスファッションは場違い。

 もともとお見合いといえば着物がお約束だった時代もありましたから、正装が望ましいのです。 パンツスタイルなら、細身で足の形や足首が見えるタイプであれば、かろうじて及第です。ワイドパンツは「ピエロみたい」と言われます。バッグも大きなトートバッグだと「営業バッグ」に見えるので、小さくてかわいらしいハンドバッグがいい。  色も気をつけたいですね。「無難だから」と選びがちな、黒、紺、グレーの服は、ビジネスカラーと言われNG。なぜなら男性自身のクローゼットに入っているスーツと同じ色で、仕事モードを意識させるからです。

 

 おすすめはマカロンカラー。ピンク、レモンイエロー、ライトグリーン、ブルー。そういった男性のクローゼットにはなさそうなカラーが好感を持たれやすいようです。  個性の強い原色系は避けたいのですが、例外的に赤はアリ。赤は情熱の色でセクシー。特にプロポーズには赤いワンピースがおすすめです。当社がプロデュースした真紅のノースリーブワンピースで婚活を成功させたアラフォー女性もいます。  コーディネートのポイントは、バスト、ウエスト、ヒップの3点のうち2点がわかることが理想。たとえば、トップスがふわっとしてバストがよくわからないものならば、タイトスカートを組み合わせてウエストとヒップを強調する。

 タイトなトップスでバスト、ウエストがわかるようなら、ボトムスはフレアやギャザースカートでふんわりさせる。3点とも強調すると昭和のボディコン服のように見えてしまうので、2点がちょうどいいです。 ■婚活では「同世代から浮くくらい」がいい  初婚の方の婚活は20代半ばから後半までがボリュームゾーンです。30代、40代になると、世間では子育て世代。日本人は「なじまなければ」という同調意識が強いのですが、30代、40代が婚活するなら、同世代となじんでしまう服装ではダメ。同世代からは浮くくらいでちょうどいいでしょう。

 きちんとした婚活ファッションで行くと成功率がグッと上がります。お見合いでいつも大絶賛される、ある女性会員は39歳。婚活においては年齢高めで不利かと思われがちですが、彼女に会った男性はみんな「かわいい」「理想の世界から飛び出てきてくれたよう」と大喜び。  もちろん女性は好きなファッションをするべきです。それを前提とした上で、あくまで婚活においてはお見合い相手からウケのいいファッションがあるというのが現状なのです。