誰かとともに生きる未来を求めて、カリスマ婚活アドバイザー・植草美幸さんのもとを訪れる男女を取り上げ、大きな反響を呼んだドキュメンタリー番組「ザ・ノンフィクション」(2月4日放送)。なかでも賛否を呼んだのが、容姿にコンプレックスを抱える女性会員さんが、二重のプチ整形をする決断を植草さんが応援するシーンだった。 

 

「婚活を前向きに進めるためには、何より自分に自信を持つことが大切です。ただ、私の結婚相談所にいらっしゃる方は、過去の婚活が上手くいかなかった、恋愛経験が少ないからサポートがほしい……という方が多いので、最初はみなさん自分に自信がありません。自分に自信を持ついちばんの近道は、じつは外見を変えること。

 

 

あえて見た目から入ることで内面を変えていく提案もしているんです」と植草さん。

 

  

 

 

本物の美人は芸能界にしかいません

Photo by iStock

 「容姿に自信がなくて」 「可愛くないから」 「美人じゃないから」  見た目を言い訳にしている方、多いですね。でも、私に言わせれば「本当の美人」がいるのは芸能界だけ。それ以外の一般人の容姿は、たいした差などないんです。これは本当です。でもモテる人とそうでない人の差は厳然としてあります。では、どこで差がつくのでしょうか?   私の娘の話をしましょう。彼女は大学生のとき、書店でアルバイトをしていたのですが、そこで頻繁に男性客に声をかけられていました。本を陳列したり、モップを持って掃除をしたりしているときに、「僕、K大学の病院で働いている外科医です」なんて言って、何枚も名刺を渡されていたそうです。  母親の私が言うのもなんですが、娘はけっして万人ウケする美人タイプではありません。アルバイトのときの装いも、髪は二つ結びで白い長袖のブラウスに紺のロングスカート。地味で真面目なスタイルでした。恋愛にも婚活にも向かないファッションです。  それでも男性に盛んに声をかけられたのはなぜでしょうか。

 

「急場しのぎではない笑顔」の力

Photo by iStock

 それは、彼女がつねに笑顔を忘れなかったからだと思います。なぜなら娘には、小さい頃から「いつもスマイルを忘れないで。“笑う門には福来る”よ」とことあるごとに言い聞かせて育てたからです。  笑顔には、人を引きつける力があります。笑顔の人を見ると、自然と気持ちが明るくなりますよね。不機嫌そうな販売員からモノを買おうと思う人はいないでしょうし、ブスッと不機嫌そうな顔をしている女性に、声をかけようと思う男性もいません。  まず鏡を見てみます。そこには笑顔のあなたがいますか? 「つまんないなあ」という考えがブスッとした表情となって、そのまま顔に貼りついていませんか? 表情に愛想がまったく感じられないとしたら、あなたは自分で出会いのチャンスをつぶしているのです。  急場しのぎで作った笑顔は見透かされます。日頃からスマイルを絶やさずにいるからこそ、それがその人自身の醸し出す雰囲気となり、人を引きつける存在感となります。  「楽しいことも、面白いこともないのに、笑顔になんてなれない!」などと言わないでください。楽しいこと、面白いことがあるから、笑顔になるのではありません。笑顔は一種のスキルです。婚活においてはもちろん、楽しく幸せな人生を送るためのスキルなのですから、身につけない手はありません。

外見を変えれば内面も変わる

外見を変えるのは簡単に自信を持つために有益。植草さんはいう 

 笑顔以外にもう一つ、簡単に自分を変えられる方法があります。それがファッション。ファッションを変えれば、その服に見合うメイクになり、服に見合うヘアスタイル、服に見合う仕草になります。ファッションにリードされることで、「私なんて」が会話の枕詞になっている人にも、自信が生まれていきます。  考えてみてください。男性とのファーストコンタクトは誰だって着衣の状態。服から出ているのは顔と手足だけ。せいぜい全体の2割ほどに過ぎません。残りの8割は、服で覆われているのですから、そこをチェンジしない手はありません。ファッションは、ノンバーバル(言葉によらない)なコミュニケーション。言葉に出せないことも、ファッションは雄弁に語ってくれます。  見た目が可愛く変われば、「可愛いね」「キレイだね」という周囲からの声も増えていきます。自己肯定感が低い人ほど、周囲から「可愛いね」「キレイだね」といっ たポジティブワードを投げかけてもらうことで自信が深まり、セルフイメージも前向きに変わります。そう、見た目を変えることが、じつは内面を変化させるためのいちばん簡単な近道なのです。  34歳、デパ地下勤務のF子さんも、入会当初はファッションがイマイチでした。初めてカウンセリングに来たとき、私は思わず「普段のお洋服はいつもそんな感じですか?」とお尋ねしてしまいました。年配者に囲まれて働いているので、私服でも無意識に地味な装いを選ぶようになり、それが「オバさん」っぽさを醸し出す一因になっていたのでしょう。  そこで、ファッションを明るく若々しく変えるところから入り、化粧品も新たに揃えてメイクを整えたら、彼女は気持ちまで明るくなり、表情もイキイキして素敵な“雰囲気美人”に変身。チヤホヤしてくれる男性も増え、自己肯定感もアップしました。そして半年ほどで年収600万円、 46歳の地方公務員と結婚しました。

 

 

 

ファッションは第一面接

まずはオーディションを受けられるか…Photo by iStock

 「男性に媚びた服装なんて時代遅れでしょ」 「ファッションで私の価値は計れないから」 「好きな格好をしている私を好きになってほしい」  そう思いますか? 確かに人間は中身が大事。私だって男性に媚びてほしいとは思いません。  ですが、ファッションや見た目くらいで「あの子はないな」と門前払いされてしまったらどうでしょう? 自分の中身の本当の魅力を発揮するチャンスはなくなります。それではもったいないと思いませんか。  男性に媚びる必要はありません。けれど婚活市場において、競争相手の多い素敵な男性を射止めるには、それなりの戦略的なマーケティングが不可欠。その戦略の大きな鍵を握っているのがファッション。媚びて「あなたの心を売れ」と言っているわけではありません。 もっと戦略的になってほしいと私は言っているのです。  テレビや映画や舞台では、配役を決めるためにオーディションが行われます。婚活の第一関門は、いわばこのオーディションに参加するようなもの。  オーディションにはいくつかの段階があります。最終面接まで残り、婚活というステー ジの主役に抜擢されるには、最初の面接をパスする必要があります。そこを突破できない限り、最終面接には進めないのです。そして大事な最初の面接をパスするうえで重要な武器になるのが、ファッションというわけです。  就活でも何でも、面接は「第一印象がすべて」とか「最初の10秒で勝敗が決まる」などと言われています。そして第一印象に、二度目はありません。一度目の印象を後で覆すのは大変なのです。この重要な第一印象を大きく左右している要素こそファッションです。  婚活の第一関門=お見合いにおけるファッションの重要性に気づいたのは、私がもともとアパレル業界出身だったからでしょう。  アパレル業界から婚活業界へ転身したばかりの頃、その事実を実感させられたこんな出来事がありました。今から20年近く前のエピソードです。  他の結婚相談所の女性会員さんたちと合同での婚活パーティを企画したときのことです。その際、私は「さぁ、オーディションの始まりよ! お洒落して参加して!」と口を酸っぱくして指導。マリーミーの女性会員さんたちは、みんなお洒落でキラキラしていて、他の相談所の会員さんたちがめちゃくちゃ地味だったのとは対照的でした。  結果、パーティで男性たちはマリーミーの女性会員さんばかりに群がり、他の相談所の女性会員さんたちは見向きもしてもらえなかったのです。  正直に言うと、マリーミーの会員さんたちも他の相談所の会員さんたちも、顔かたちもスペックも五十歩百歩。似たり寄ったりでした。だからこそ、「やはりファッションのパワー はすごい!」と再認識。以来、マリーミーでは、ファッションへのアドバイスにより力を入れるようになったのです。