コンプレックスの解消や、理想の外見を手に入れる手段として、美容整形を選ぶ人が増えてきた昨今。とはいえ、費用、施術者の技術、痛み、リスクなど不安材料は多く、「ネットで調べれば調べるほどわからなくなる」なんて声もよく聞きます。

 そんなとき、一番参考になるのは経験者の声。そこで『女子SPA!』は「失敗しない美容整形」をテーマに、整形インフルエンサーとして注目を集める美容整形ちゃんと連載企画を立ち上げました。
 

 目や鼻、骨切りや性器の手術にも挑戦し、最近ではトルコで植毛手術までしたという>美容整形ちゃんが語る、奥深き整形の世界とは?

◆美容整形歴は10年以上、投資金額は2000万円超

 こんにちは、美容整形ちゃんです。美容整形について発信している>YouTuberです。

 美容整形歴は10年以上。投資金額は2000万円超え。目や鼻のみならず骨、脂肪吸引、全身の至るところを整形しています。

 私は「整形してよかった!」と思っていますが、施術の1つ1つすべてが“成功”したかと言われれば、そうではありません。正直「やらなくてもよかったな」と後悔している施術もたくさんあります。

 この連載では、すでに整形している人だけでなく、整形に興味がある人や一歩踏み出したい人の指南書や教科書になるような、“最短で可愛くなる美容医療”を、私の経験からお伝えします。

 ただ、整形は、どれだけ調べてやっても「失敗」もつきものです。なかなか治らない後遺症が残ったり、リスクはあります。そのため、まずは私が“整形で得たものと失ったもの”について、お話したいと思います。

◆鼻がほんの少し高いというだけで周りの態度が激変

「美人は生涯で3000万円得をする」という研究結果があるーー。こんな話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。正直、私は美人が得をするのは3000万円どころではないと思います。

 なぜなら、私は整形してから周りの態度が180度と変わり、「美人ってすごい!」と驚くような経験をたくさんしたから。

 私が一番最初にその変化を感じたのは、10代の頃に鼻を高くするためにヒアルロン酸を入れた時でした。自分でも「すごく可愛くなった」という実感はありましたが、当時バイトしていた歌舞伎町のカラオケに向かう途中、声をかけてくるスカウトの態度が今までと明らかに違ったんです。

「可愛いね」と声をかけてくるのはもちろん、無視しても前みたいに「ブス!」「死ね!」という捨て台詞を吐かれることもなくなった。鼻にヒアルロン酸を入れただけで、鼻がほんの少し高いというだけで、周りの態度がこんなに変わるのかと驚きました。

◆美人は2000万円どころか生涯2億円分くらいは得する

 さらにこれは整形してから痛感したことなのですが、自分が黙ってボーッとしてるだけで周りの人がなんでもやってくれるようになります。あるときは仲良くなった男性に「買い物に付き合って」と誘われて出かけると、「せっかくだし、何か買いなよ」と、ついでにハイブランドの服やバッグを買ってもらったりしました。それも、一度だけでなく、数えきれないほど何回も。

「容姿がいいとこんなに得をするんだ!」と感動したのを覚えています。特に10代~20代の間は本当にこの傾向が強い。

 こんなこと、美人じゃなかったらきっと経験できない。なので私は、お金に変えられないような経験も含め、美人は2000万円どころか生涯2億円分くらいは得すると思っています。

 それに、急に自分の顔も周りの態度も変わるので、これまでになかった自信も生まれます。外見以外だと、私が整形で得た一番大きなものが「自信」でした。

◆整形する人に知ってほしい「失うものの大きさ」

 

 一方で整形で失ったものもあります。それが、私にとっては自由です。

 顔を小さくするための骨切り手術で、口腔内を広範囲で上下切開・縫合しています。粘膜が癒着しているような感覚があり、とにかく喋りにくい。整形前と同じように話すことや、食べることができなくなってしまい、すごく不自由になってしまいました。

 また、顔のたるみを引き上げる切開リフトという手術をした際に、フェイスラインの大幅な感覚がなくなりました。顔を動かすとパツパツに引っ張られている感覚がずっとあります。
 

 寒い日は特に麻痺が気になります。人と喋ったり食べたりする時には「今日はいつもより顔が動く」とか「今日はあまり口が動かないな」と感じる。日常生活を送っていても、10段階中7~8くらいのレベルで邪魔だなと感じています。

◆リスクはわかっていても後悔した整形

 こういう話をすると「整形しないほうがよかったと思いますか?」と聞かれることがあるのですが、これらは、骨切りや切開リフトをする際にも術前に説明される想定されるリスク内なのです。

 ですから、私はそういったリスクを承知で受けた施術に対しては「やらなきゃよかった」とはあまり思いません。

 一方、視覚的な面で後悔した整形はあります。

 たとえば、私は目が綺麗な二重で目頭の蒙古襞もなかったのに、「化粧後のギャルみたいになりたい!」「化粧を時短したい」と思い、目頭切開、幅広二重切開をしました。

 結果、化粧してないときでも派手な目になってしまい、「一生そのメイクをするわけじゃないのに、なんでしてしまったんだろう」と後悔していたこともありますが、何でもやってみないとわからないですね。

◆「なりたい」のすべてが整形で実現するわけじゃない

 若いからこそ勢いもあることはいいことです。けれど、若いときは「自分とは何か」という気持ちが確立できていないから、少し立ち止まって考える必要もあります。

 ほかにも、鈴木えみさんの唇になりたかった私は唇を拡大する手術をしますが、理想の形にはならず。「この顔になりたいならこの施術をすればいい」というような間違った発想の繰り返しによって、私の顔はどんどん不思議な方向へ行ってしまいます。

 みんな元々の姿形があるので、なりたいと思ったものがすべて整形で実現可能ではないんですよね。極端に言えば、猫が犬になろうと思ってもなれないのと同じです。

 ほかにも、海外のバービー人形のようなモデルさんの脚が理想で「この写真のような足になりたい!」と足の脂肪吸引を受けたのですが、今思えば日本人とは骨格が違うし、筋肉のつき方が違うし、フォトショで加工もされているので、なれるわけもありません。

◆心の準備ができないなら整形はしないほうがいい

 自分の元の顔やスタイルから「整形で叶えられる理想の限界」があることは、整形前に知っておくべき事実だと思います。

 整形は得るものもあれば、失うものもあります。正直、どちらもかなり大きいです。

「失うものはお金だけ、他は得るだけだ」と考えている人には整形は向いていませんし、視覚的に良くなったとしても、機能が落ちることもあります。身体的能力が落ちると違和感が酷く、精神疾患に陥る人も多いです。

 極端に神経質な人、周りの目を気にしすぎている人、周りの意見ありきで生きてる人には向いていません。整形はしないほうが吉です。「私は何言われても、可愛いから大丈夫!」と思えるメンタルを持ち合わせてる人は向いてるのではないでしょうか。

◆整形は「自分の中で現状が嫌だ」と強く思う人がやるべきこと

 リスクはどんな整形にもつきもの。そのすべてを許容できるか、できないかは最初の説明を聞いていたらわかるはず。リスクが怖いからと整形を辞めてしまっても、それはその人の判断です。

 事前に心の準備が整ってない人が整形をするのは、観覧車に乗るつもりで普段乗れないジェットコースターに乗ってしまうようなもの。怖くて怖くて堪らないですよね。乗ってから後悔しても、降りることはできません。

 整形は自分の中で現状が嫌だと強く思っている人がすべきものだと思っています。

 私は、自分の中で"絶対にこうしたい"という気持ちが強かったので、リスクを取ってでも整形をしたし、「整形してよかった」と思っています