今、日本では3組に1組のカップルが離婚という選択をしていると言います。ずっと一緒にいようと誓い合った二人が、なぜすれ違い、お互い別々の道を選ぶことになってしまうのか。そんな夫婦がずっと幸せでい続けるための方法を紹介した書籍『夫婦の理念』の著者が教える、仲良し夫婦の秘訣とは?

 

 ● 結婚はゴールではなく、スタート地点  

 

 

どんなに仲がいい夫婦でも、結婚生活をしていく中では、大なり小なりぶつかり合いはあります。   「なんで私だけこんなに大変なの!」 「俺だってやっているじゃないか!」  夫婦ゲンカになるときは、お互いが「自分が正しい」と思っていて、「相手が折れるべきだ」「相手が変わるべきだ」と主張しているため、いつまでも平行線になりがちです。  その状況が長く続くと、お互いにストレスが溜まり、イライラから相手にきつい言葉を投げたり、つい手が出てしまった、なんてことにも……。そこまでくると、ケンカを通り越して憎しみが生まれてしまいかねません。   「いやいや、こんなことで言い争いたくない。仲良く暮らしたいのに……」と思っていても、気づいたら修復できない状態にまでなっていた、なんてことになる可能性もあります。  以前、ちょうど会社も大きくなっていくタイミングで人材育成のセミナーに参加したことがありました。そのセミナーでは会社だけではなく、夫婦の関係においても取り入れるといいのではないか、そう思うアイデアがいくつもあったのですが、その中でとても腑に落ちたアイデアがあったのでここでご紹介したいと思います。  それは、「架空の第三者を間に置く」という考え方です。

 

 

 

● 無駄な夫婦ゲンカをなくす 「幸せな結婚生活さん」という存在  

 

 

夫婦とは、生まれも育ちも違う男女が、結婚という制度によって一緒に生活をすることです。性格も違えば価値観も違うのだから、ぶつかり合うのは自然なこと。それをどううまく乗り越えていくかが、夫婦の永遠の課題だと言えるでしょう。  ただ、夫と妻という1対1のぶつかり合いは、バーサス(敵対関係)に発展しやすいという危険性があります。バーサスの関係になると、仲直りのためには結果的にどちらかが折れることになり、不公平感のもやもやを抱いたままになってしまいますよね。  そこで、1対1にならないように、夫婦の間に「架空の第三者」、例えて言うなら「幸せな結婚生活さん」を置いてみるのです。  相手のために折れるのはなんとなくしゃくだけれど、相手ではなく何か別のことのために譲歩するということなら心理的にも楽になれるのではないでしょうか。  その「別の誰か」が「幸せな結婚生活さん」です。  「幸せな結婚生活さん」は、言うなれば心の底で二人ともが求めている願望のこと。だから、「幸せな結婚生活さん」のために譲歩する、という考え方にしてみるのです。  例えば、共働きで、平日はお互いに忙しいご夫婦がいたとします。家のことができるのは週末だけ。「早く家事を済ませておこう」と、日曜日の朝から家の掃除を一生懸命やっている奥さまの横で、ソファに寝転んでくつろぐ旦那さま。  「ちょっとはあなたも手伝ってよ……」 「日曜日くらいゆっくり過ごそうよ……」  普段だったらここでバトルが始まります。  

でも、相手との間に「幸せな結婚生活さん」を意識して置いてみると、意地を張ってバトルをするよりも、まずは相手の意見を聞いてみようと思えるかもしれません。 

 

 一緒に週末を過ごしたいと思っているのは二人とも同じなのに、主張を曲げるのは「私が我慢した」という気持ちになり、フラストレーションが溜まる。どちらかが「譲る」という構造は、それが結果的に損得勘定や勝ち負けの判断になってしまうのです。  

 

でも、それが「相手のために仕方なく譲る」のではなく、ここにいる「幸せな結婚生活さんのために譲る」なら、自分の意見を下げることもできる。物事を俯瞰して見ることができ、自分の気持ちだけでなく相手の気持ちも考えられるようになります。  結局のところ、どちらも幸せな結婚生活を望んでいるのです。ただ、違う方向から山を登ろうとしているだけ。二人が登りやすい道を見つけ、一緒に協力し合いながら登っていけばいいのです。